めんどくさいの。【太宰治】

めんどくさい１５ ページ16

・




Aside






「むぁぁ〜暇だ〜外出たいぃ〜」





「今出たらマフィアか組合に頸を据り取られちまうよ。」





「監視映像に異常は無いか」





「今の処は退屈な映像ばかりだねェ」





「この講堂は通常入口が存在せず、侵入には地下の廃路線を通る他無い。…故に敵兵が侵攻して来た時、路線内の監視映像によって事前にそれと知れる。」






「道中は罠も満載だしねェ…この地形で侵掠戦なんて余程の大軍隊でも無きゃ二の足を踏むさ。」





「あぁ、もう！戦争なんて退屈だよ！駄菓子の備蓄は半日で尽きたし……ﾊｯ！」





「与謝野さん、此れで花札やろう。」ｸﾙｯ








「おやおや…何賭ける？」ﾆﾔｯ





そう云って乱歩が監視映像が流れている筈のパソコンを見る。






其の瞬間、乱歩の目付きが変わる。


それを不思議に思った与謝野も乱歩に声を掛ける




「如何したンだい？」





「社長」




「攻勢を呼び戻した方が良いよ。」





「敵か？襲撃規模は何人だ？」





そう問われた乱歩は福澤にパソコンの画面を見せる。





福澤の目が見開かれると同時に、乱歩が声を発する。








「……一人だ」






乱歩がそう云った瞬間に、映像の一つと通信が遮断される。






「監視映像弐番と伍番が停止！」





「自動迎撃銃座を起動せよ！」






『……襲撃？』






「嗚呼、A起きたのかい。襲撃だ、アンタも備えな！」






『ん。』




そうAが返事をするや否や、ﾄﾞｵｯと爆発音が聞こえた。




「特使の摂待役がこんな木偶だとは…泣かせる人手不足じゃねえか、探偵社」







『！…この声は…』







「生きてる奴が出て来いよ。」








「A…知ってるのかい？」








『…うん。奴の事は…良く』







そうかい、と与謝野が答えると、黙っていた乱歩が口を開く。








「……社長。」









「お前も私と同意見か。」









＿＿＿＿「……」ｺｸ

めんどくさい１６→←めんどくさい１４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す