めんどくさいの。【太宰治】

めんどくさい１４ ページ15

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太宰side＿＿in＿晩香堂




社長の指示で調査員全員が晩香堂へと参集した。

勿論Aも居る。…来て直ぐに長椅子に横になって寝てしまったけど。






「谷崎君、此処違うよ。」




「あッ、すみません。」




「あ、これは此処に入れといて。」





…カッ






「あ、太宰さん、コレは…」





…カッ





「ああ、それは…」





そう谷崎君に説明をしていた時、





「社長。」




社長がお戻りに。





「皆聞け」





そう社長が云うだけで、この場の空気が纏まる。





「嘗(かつ)て＿＿＿＿三日か二日前には戦争を免(まぬが)れる途(みち)は在った。」





ちらりと横目でAの居る場所を見ると、片目だけ開けて社長の方を見ていた。




………あれだけでも可愛いって…(悶え)





「しかしその途も今や閉ざされた。
社の鏖殺(おうさつ)を謀るマフィア、社の簒奪(さんだつ)を目論む組合(ギルド)。この両雄より探偵社を守らねばならぬ。」




…私の出番かな？





「太宰、説明を」






「はあい」





では…




「組合は資金力に、マフィアは兵の頭数に優れます。正面から搗(か)ち合えば探偵社と雖(いえど)も脳天が弾け飛びます。そこで、我々は人員を守勢(オフェンス)と攻勢(ディフェンス)に分割し、奇襲先方で姑息に抗います。」





「守勢の要は何と云っても此処で与謝野先生を守る事。」




そう云えば与謝野先生がニコッと微笑む。




「先生の治癒能力があれば死なない限り全快出来ますからね。」





「嬉しいかは別にして。あはは」





「あはは」




与謝野先生の治療を受けた事がある者は皆苦い顔をしてる。賢治君以外。








“守勢”＿＿＿＿
福澤・乱歩・与謝野・賢治・A






「そして攻勢は二組に分割。谷崎君の隠密能力と」





攻勢［甲］
国木田・谷崎






「私の異能無効化で敵の横あいを叩く。」






攻勢［乙］
太宰・敦






「この戦の肝要は、この拠点を隠匿する事です。」






「敵の異能者総出で此処に雪崩れ込まれると＿＿＿」










まぁ……









「守勢が保ちませんから」ﾆｺｯ









もうバレてるだろうけど

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