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1-1:魔人の噂 ページ3

You side


森の奥深くにある、古びた教会。今朝もその窓際で、頬杖をついている美しい少女が1人いた。


「はぁ……」


いつも通り、私の教会には人が全く来ない。ここに居るのは、私ともう一人……足繁くここに通ってくれている男の人くらいなものだ。やっぱり、私の管理とか、集客とかが下手くそなのかなぁ……?場所も薄暗い森の奥にあるし。ーーでも、それなりに人通りは多いはずなんだけど……。


「なぁ、ここからどうする?」


「僕に分かるわけないじゃん……」


そう考えている最中、2人の子供が私の前を通った。どうやら、何か話しているみたい。
これは、いい集客チャンスかもしれない。そう思った私は、男の子達の近くに歩み寄った。


「おはよう、坊やたち。こんな朝早くからどうしたの?」


笑顔で、そして圧力の無いように……。これは昔から、私が集客の際に気を付けていることだ。まぁ、これに気を配ったところで、そもそもここには来客が来てくれないんだけどね……。


「「びゃ!?」」


私が話しかけると、2人は化け物でも見たかのように驚いた。何もそんなにびっくりしなくても……。取って食べたりしないんだからね、全く。


「……な、なんだ。ただのシスターさんか」


「びっくりしたー……」


そう言うと、賢そうな男の子は眼鏡を指でクイッと上げた。いかにも「自分は冷静です」みたいな立ち振る舞いだけど、指先がまだ少し震えてる。
もう片方の溌剌とした子は、まだ春の初めなのに半袖短パン。見てるこっちが寒くなるような格好だなぁ。

私が見た感じ、2人は双子みたい。髪型も格好もそれぞれかなり違うけど、顔立ちがそっくりだから。


「あはは、そんなに驚かなくても大丈夫だよ。……それより親御さんは?2人だけで此処まで来たの?」


「はい……。こいつ――沙紗(さーしゃ)が突然森に行きたいって言い出して」


「で、でも!行く道決めたのは杏那(あんな)じゃんか!」


「まぁまぁ……。沙紗くんも杏那くんも、とりあえず一回落ち着こうよ」


私が2人の間に入って仲裁しようとすると、2人は「ふん!」と言って互いに顔を背けた。そしてそっぽを向くと同時に、私の耳にお腹の鳴ったような音が2つ聞こえてきた。
2人の顔を見てみると、耳が赤くなっている。
ふふ、お腹空いたのかな。


「……あ、そうだ!折角だし、私の家で軽くパンでも食べていく?2人ともこんな朝早くに来るってことは、たぶんロクに朝ご飯食べてないだろうしさ」

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びねつ(プロフ) - 夜のお魚さん» お褒めいただきありがとうございます……😭😭そう言って頂けると凄く嬉しいです🥲応援を糧に更新頑張ろうと思います‼️👍 (2月27日 20時) (レス) id: 50028a7fa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:びねつ | 作者ホームページ:-  
作成日時:2024年2月25日 20時

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