crime #1 ページ22
立っていた宮舘や佐久間、岩本も適当な椅子に座ると、全員の視線が岩本に集まる。
岩本は逡巡していた。自分の話をして彼等にどう思われるかが怖かった。
しかし、しばらくしてようやく覚悟を決めた。彼等にどう思われようと仕方ない事をして来たのだ。受け入れてもらえなかったらその時はここを出ていけばいい。
kj「……話せる?」
iw「話すよ」
向井の顔は見ずに答えた。
岩本は俯いた状態のままで身の上話を始めた。
iw「昔……酷いいじめに遭ってたんだ、「普通」の人間から」
誰かの息を吸う音が聞こえた。方角的に佐久間だろう。
そう、「異端」が虐げられるのはよくある話なのである。
iw「毎日暴力振るわれるような生活だったんだけど、それを助けてくれたのがふっかだった。でもそのせいでふっかもいじめられるようになった。俺を助けたからだけじゃない……ふっかも「異端」だったから」
ru「あの人も……」
一瞬ラウールに目をやった後、岩本は淡々と続ける。
iw「俺がいじめられる事だって納得できなかったけど、ふっかがいじめられるのはもっと納得できなかった。俺を助けようとしてくれただけなのに、なんでふっかまで酷い目に遭わないといけないんだって……!」
岩本の言葉が熱を帯びるのを感じて宮舘は目を伏せた。その口調から察するに、酷い、なんて言葉で済むようないじめではなかったはずだ。
佐久間もそれはわかっていた。ただ気に入らない相手をいじめるだけなら失明なんてさせない。
「異端」だから。「普通」の人間に、社会に、疎まれて蔑まれ続けるのだ。
iw「どう足掻いてもいじめなんて止まらなくて、でも味方もふっか以外誰もいなくて……耐えきれなくなった俺は、ふっかに言ったんだ」
言葉を切った岩本の表情に後悔が滲んだ。
iw「この世界を変えたい、って。こんな理不尽な世界、ぶっ壊したいって」
kj「……それで、どうなったん」
向井が恐る恐る聞く。ラウールと目黒も目で岩本に問うていた。
その視線を感じて、岩本は罪悪感で言葉を詰まらせながら続きを口にした。
iw「……ふっかは、この世界を変えよう、って言ってくれた」
sk「それで……?」
iw「……「普通」の人間を、殺し始めた」
兄弟が衝撃を受けて小さく声を漏らした。
岩本は顔を上げられなかった。全員が岩本を戸惑いの表情で見ているはずだ。
それを分かっていて、岩本はさらに追い打ちをかけた。
iw「俺もふっかに加担した……俺は、人殺しだ」
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» わーありがとうございます! 直しました! これからももし見つけたら遠慮せずに教えてください……! ありがとうございました! (2020年11月8日 11時) (
レス) id: f87dad8c17 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 岩本"が"「狩猟豹」なのは＿。 が 岩本"か"「狩猟豹」なのは＿。になってますよ！細かいところですみません。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» いつもコメントありがとうございます! 更新頻度がだいぶ遅くなるとは思いますが、何卒お付き合いよろしくお願いします! (2020年10月24日 11時) (レス) id: 4e2a0ba139 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 新しい作品楽しみにしてました！更新応援してます！ (2020年10月23日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年10月22日 23時
