いれぎゅらーな君との時間［短編集］

［桃］10 年 後 の 小 さ な 未 来 、 ページ10

＿10年後、



10年後、私はきっとこの世にはいなくて



彼氏のないくんはきっと他の女の子と付き合ってて、笑ってて



少し嫉妬しちゃうけど、しょうがないよね、私が病弱だから



せめて、しぬときは、ないくんの前がいいな



最後にとびきりの愛を込めた告白をするの、



そしたら私も未練なく逝けるから



最近は窓の外の景色を眺めながらそんなことばかり考えてる



私は、生まれつきの病気を患ってて、"20歳には命が尽きる"って言われ続けてきた



私は今、19歳と11ヶ月。あと1ヶ月で私は＿



そんなことを考えると毎日怖いから10年後のことばかり考えてる



コンコン、部屋のドアから誰かが叩く音がした。



そっちの方に顔を向けると、ないくんだった



ないくんは新人のお医者さんで、私の担当医であり、幼馴染であり、恋人



かっこよくて優しくて、きっと女の子全員惚れちゃうんじゃないかってくらい魅力的



「Aおはよ。調子はどう？」



『ふふ、ないこせんせおはようっ！昨日よりかはいいかな』



「先生ってやめてよ、wまだそんな有名な医者でもないのに」



『私にとってはせんせいでしょ？』



「はいはい、元気なのね、よかった」



そんな会話をしてからないくんはまた違う患者さんの元へ行く



『、、ばいばい』



「そんな泣きそうな顔しないでよ、wまた夜来るから」



『でも、、寂しいしつまんない』



「幼稚園生みたいなこと言わないでよ、、w、、、ﾁｭｯ、、これで満足？」



ないくんは呆れながらも私のうなじに優しくキスをした



『〜っ！！/ないくんのばかっ/』



ないくんは笑いながら病室をあとにした。

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