模範少年

優しい君 ページ1

いつだって君は優しかった。


私が泣いた時、すぐに駆けつけてくれた。


そして、慰めてくれたの。


「大丈夫？」


嬉しかったよ。


だって心配してくれたから。


「誰が君を泣かせたの？」


すぐには答えられなかった。


答えたらあの子(犯人)に仕返しされると思ったんだ。


そんな私の心配を君は消してくれた。


「大丈夫、僕が守ってあげるから」


だから私は安心して言えたの。




案の定先生に怒られたあの子が来た。


「なんでアイツにチクったんだよ」って。


怖かった。


でも君が守ってくれたんだ。


「怒られるような悪いことをしたんだよ」


あの子は言い返せなくて逃げた。


『ありがとう、助けてくれて』


そう言ったら君は優しく微笑んでくれた。


次の日、君は先生に褒められてた。


でも、変に飾らずに君は返した。


「いえ、当たり前のことをしただけですよ」


まるで“優等生”みたい。


いや、現に君は優等生だった。


テストはいつも満点で、成績表も全部5。


みんなに尊敬されて、生徒会長になって。


理不尽な先生を追い返して、イジメを無くした。


君はみんなに好かれる人だったね。

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