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恥ずかしいことをした。
作ったドリンクを持ちながらチームの元へ向かう。
昔に一度、父に連れて行ってもらった烏野高校バレー部。
そこで聞いた言葉だ。
あのときの言葉に衝撃を受けたのを思い出しちゃって、言ってしまうなんて恥ずかしすぎる。
二「 あれ、A 」
『 ...その声、堅治!!!』
二「 待て 」
『 .... 』
二口が掌を見せるように制すると、ぴたっと止まる私。その姿、まるで主人と犬。
二「 頑張ってるか 」
『 わん!』
二「 うん、俺が悪かった、ヨシ 」
『 堅治!明日いい試合しよーね!』
二「 どっち応援すんのさ 」
『 ________ワン 』
堅治の言葉には答えられない。
バレーを教えてくれた大好きないとこの堅治にも頑張ってほしいが、勿論白鳥沢に勝ってほしい。
小さく俯いて目をそらした。
二「 うそ、じゃあな、早くしねえともうセット終わるぞ 」
『 うん、じゃあ 』
ずっと、堅治を応援してきた身として、少し罪悪感だった。
『 お待たせしましたー 』
川「 お、さんきゅ。またいっぱい持ってんな、大変ときは声かけろよ 」
『 ナチュラルイケメン太一 』
白「 ドヤ顔すんな 」
セットが終わればみんなが駆け出してコートに入っていく。
今日は勿論負けることはない。
明日の準々決勝に進出だ。
私たちは帰りの支度をしてマイクロバスに乗り込む。
明日もきっと、勝つんだろうな...。
大「 どうした、暗い顔して、らしくないな 」
『 大平さん... 』
大「 俺でよければ聞くけど 」
『 こうして白鳥沢のマネージャーをしてるわけだから、勿論白鳥沢に勝ってほしいんです。だけど、私にバレーボールを教えてくれたいとことか、中学で面倒見てくれた先輩とか...勝ってほしい人はいっぱいいて、 』
ああ、何言ってんだ。
『 みんなが、同じチームならちゃんと応援できたのに 』
大平さんは私の話を聞いてくれると、少しクスッて笑ってみせた。
大「 応援したいやつを応援すればいい、ただ、勝つのは俺たちだと、それだけ信じてくれればいいんだよ 」
『 信じる?』
大「 ああ、難しく考えなくていいさ、俺たちは勝つんだからな 」
大平さんは意外と強い言葉を使う。
それが、安心感に繋がるんだろうな。
単純なことだ。
堅治も及川さんもみんなも応援する。
だけど、勝つのは白鳥沢だ。それだけだ。
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りんご - つとむがいないつとむんがいない泣いた (2020年4月20日 10時) (レス) id: 1b44938d74 (このIDを非表示/違反報告)
千春(プロフ) - 商店街の子供にガムつけられて髪を切って、男と間違えられる流れと、「生物学上では女」っていう言葉が桜蘭高○ホスト部と酷似してましたが、それを参考にしたのでしょうか? (2019年8月26日 22時) (レス) id: c8fa9f1eb9 (このIDを非表示/違反報告)
美幸(プロフ) - 1話を見て「あれ、桜〇高校ホスト部?」って思いました。 (2019年6月20日 13時) (レス) id: d9bb381733 (このIDを非表示/違反報告)
とっとこ - 面白いですね!! 川東がかっこいいですね!(( (2019年3月17日 22時) (レス) id: f0db948643 (このIDを非表示/違反報告)
チャリアカー - めっちゃ面白いです! 夢主ちゃんが可愛すぎて…… 更新頑張ってください! (2019年3月17日 21時) (レス) id: ec0ea712a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐吉いろは | 作成日時:2019年3月15日 0時