05.魔術 ページ7
「いやー、意外だね!」
カーマインはけらけらと笑っている。
俺はどうやら魔術の素質が合ったらしい。
まあある意味予想はついたが……。
「物理が強そうなイメージがあったものね、コウジは」
そう言って笑うリドルはなぜかカーマインの教科書も持っている。
まさかこいつまで魅了したのだろうか?
奴を見るとやはりと言うか何と言うか、楽しげな笑顔を浮かべていた。
「……荷物くらい自分で持て」
「ああ、いいんだよ、コウジ。女性に重いものは持たせられないからね」
カーマインに苦言をこぼそうとしたがリドルにインターセプトされた。
その目は俺とカーマインと同じ赤い瞳。
……その目に映る色はやはり魅了された奴らの眼にどこか似ていた。
だがそれとは明らかに何かが違う。
引っかかる何かを考えつつ、しかし二人が談笑しながら歩き出したのを見て同じように歩き出した。
「次なんだっけ?」
「確か魔法薬学だね」
「そっか、じゃあ一緒に組もうよ、こ」
「いいね、よろしく、カーマイン」
気づけば前の二人組みは次の授業でペアを組むことにしている。
……だから奇数は嫌なんだ。
文句を言おうとカーマインを見れば、少し困ったような顔をしてリドルを見ている。
しかし最終的にはいつものあの笑顔になった。
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