その少女、監視対象【名探偵コナン】

17.一欠片の記憶 ページ18

「君の超能力(ちから)はもっと色んな使い方ができるはずだよ」


当時、ただ電気を発することしかできなかった私はその言葉に釣られ、研究所に入った。

別に非人道的な実験を受けさせられるわけでもなく、電気を応用すればこんなことができるということを習いながらそれを実践する日々が続いた。

しかもその研究を手伝う代わりに多額のお金が貰えたから、実験を手伝うのは一種のバイト感覚だった。治験で稼ぐような、きっとそんな感じ。

電磁力を操って砂鉄を浮かび上がらせたり、壁を登ってみたり、自分の生体電気を操って身体能力の向上をしてみたり。
……まぁ、自身の生体電気を全部操るのは私には無理だったんだけど。

それに結果を出せばちゃんと褒めてくれるし、上手くいかなければ原因や対処方法を一緒に考えてくれる研究者達がいた。

何だかんだ和気あいあいと実験をしていて、正直に言うととても楽しかった。

そのときから能力は人を殺めるレベルまで至っていたから、研究員の人達が優しく接してくれるのは当然といえば当然かもしれない。

私が実験を本気で嫌がって抵抗して、事故が起きてしまったら元も子もないだろうし。



***



研究施設に来て、かなり経つと研究者達は私からDNAなどの採取を行った。

どうやら、自分で生体電気を操れる可能性があるDNAが難病を抱える人達を救う手がかりになるかもしれないとのこと。
それに細胞を移植して病気や菌とかの実験するためにも必要らしい。

私の体でその類いの実験してしまうと、取り返しがつかなくなるかもしれないからって配慮してくれたみたい。優しいね。

でもDNAの採取が終わってからその実験について詳しく教えてくれなかった。
だから私は人がいないときを狙って







＿＿＿＿＿＿ほんの好奇心で研究内容を覗いた。

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