14.強行突破 ページ15
私は思い悩んだ末、起きてそうな友達に手当たり次第電話をかけ始めた。
「お願い……出て!」
これで4人目。スマホを握りしめ、扉の方を見ながらコール音を聞く。
そういえば、扉を叩く音が消えたけど今度は何してるの?
[も、もしもしぃ……こんな時間にどうしたの?今から寝ようとしてたんだけど]
そんなことを思っていると少し眠そうで不機嫌そうな声が返ってきた。
「あ、ありさぁ!大好き!愛してるからお願い助けて!」
友達である、橘ありさの声を聞いて小声で助けを求める。
[え、な、何急に……ストーカーでもいた?]
勘違いだけどそれでいこう。
「そうなの!最近家の周りをうろうろしてて!恐いから今から家に行ってもいいかな!?」
[いいけど、とりあえず“警察”に電話したら?]
「……」
彼女の言葉に一気に脱力した。
確かにその通りだ、私がイレギュラーなだけだごめん。悪かった、謝るから。
「ごめん嘘!でも警察が家の前まで来てるっぽくて!」
[け、警察!?アンタ何やらかしたの?万引きでもしたの!?]
急にありさの声が大きくなり、耳を突き刺す。
いや、当然の反応か。普通はこんな時間に警察は来ないもんね。てか、まず警察は家に来ないよね!うん知ってる!
「お金には今のところ困ってないし違うの、私はただッ……!」
そう言いかけた瞬間、扉の方からガチャッという音が聞こえた。自分の頬に冷や汗が垂れる。
「……えっ!?」
[な、何、今度はどうしたの?]
な、なんか今……。扉のロックを解除する音がしたんですけど。
「ごめん、ちょっと静かにして」
[……う、うん]
ロックを確認しようとスマホをスピーカーに設定し、シャツの胸ポケットに入れて一歩踏み出す。
その瞬間、豪快に扉が開き、特殊部隊っぽい人達がぞろぞろと突入してきて私を取り囲み、盾を持ちながら銃を構える。
ドラマやアニメでしか見たこと無い光景だ。
「ひぇっ」
色々な思いが混じって何も言えなくなり固まる。
そして後からインターホンで見た男性と
あ、思い出した、インターホンで見た男性は降谷さんと同じ警察の人だったような。ハッキングしてたときに少し見た気がする。
現実逃避したくなって、つい今はどうでもいいことを考えてしまう。そのくらい、この状況はまずかった。
「……わ、私を何かのテロリスト、兵器だと間違えてませんか?」
「言っただろう、強行突破に出ると」
彼はそう言いながら私に銃を向けた。
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星空ブリキ(プロフ) - このお話めっっっっっちゃだいすきです!!!!!!! (2023年3月7日 22時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 颯さん» わざわざコメントありがとうございます!!なるほど、普通に文にするのもありですよね、参考にさせていただきます!! (2021年2月25日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 2章のタイトルちょっと思いついたんですけど、監視対象が見た純黒の悪夢とかどうですかね。参考程度にどうぞ (2021年2月25日 19時) (レス) id: e2ffa37dcb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 莉咲さん» タイトルが魅力的だなんてとても嬉しいです!!二時間も時間を使って見つけてくださりありがとうございます!!( ´;゚;∀;゚;) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 。。。さん» わあああ!わざわざコメントありがとうございます!(*^▽^*) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2020年4月12日 16時