11.油断禁物 ページ12
安室さんの言葉に全身が固まってしまう。
ヤバい、本人が来てしまった。
「わ、私は毛利さんの家に遊びに来ただけですよ！」
両手を横に振ってぎこちなく笑う。顔がひきつって上手く笑えない。
「あ、安室さんこそ、何でここに来たんですか？」
「いえ、大したことではないのですが。少し貴方と話したいことがありまして」
これ、どうやって逃げたらいいの？嫌な予感しかしないけど。
そんなことを考えていると安室さんは私の手を掴もうと手を出してきた。
「っ！」
すかさず自分の手から静電気を出し、反射で彼の手を引っ込めさせようとするが、何故かそれは効かない。
あ、あれ……？
まんまと片手をとられてしまい、呆気にとられながら彼の手を見ると黒い手袋をしていた。
まさか、普通の手袋じゃなくて絶縁のやつでは！？電気効かないじゃんこれじゃ。
「ちょ、えっ」
「蘭さん、少し水瀬さんを借りさせてください。すぐ終わりますので」
「え、は、はい」
パニックになっているうちに、安室さんに強引に引っ張られて階段の踊り場に出た。
安室は扉を静かに閉めると私の方を向いた。
「……後で2人きりで話をしませんか？ポアロでのバイトがあと1時間なので少し待っていてください」
彼はそれだけ言うとパッと手を離し、私を残して階段を降り始めた。
「……え？」
そ、それだけ？てっきりどこかへ連れていかれるのかと……。
拍子抜けしていると、思い出したように安室さんが振り返った。
「……言い忘れていました。
もし、これを破ったら、覚悟していてください。
＿＿＿＿＿＿″強行突破″に出ますので」
彼は咎めるような視線を投げると階段を降りてポアロに戻ってしまった。
「こ、こわぁ……」
***
その後、私は毛利さんに謝って依頼を取り消してもらい事務所を出ると、急いで近くにあったネットカフェに入った。
自分のスマホと個室にあるパソコンを使って安室透についてちゃんと調べるためだ。
……あの人、目が本気だったし。
強行突破って何するつもりなの？何を突破するの！？恐いってば。
私はそそくさと個室に入り、スクバをベッドに投げて椅子に座る。
ちなみに、自宅でハッキングしないのは居場所がバレるのを防ぐためだ。まぁもうバレてたらどうしようもないんだけども。
スマホを片手にパソコンの電源を入れる。
正体知られたんだったら、こっちだってゴリ押しで調べてやるッ……！
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星空ブリキ(プロフ) - このお話めっっっっっちゃだいすきです！！！！！！！ (2023年3月7日 22時) (
レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 颯さん» わざわざコメントありがとうございます！！なるほど、普通に文にするのもありですよね、参考にさせていただきます！！ (2021年2月25日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 2章のタイトルちょっと思いついたんですけど、監視対象が見た純黒の悪夢とかどうですかね。参考程度にどうぞ (2021年2月25日 19時) (レス) id: e2ffa37dcb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 莉咲さん» タイトルが魅力的だなんてとても嬉しいです！！二時間も時間を使って見つけてくださりありがとうございます！！( ´;ﾟ;∀;ﾟ;) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 。。。さん» わあああ！わざわざコメントありがとうございます！(*^▽^*) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2020年4月12日 16時
