監視対象は純黒の悪夢を見る【名探偵コナン】

66.落とす方法 ページ30

弾切れなのか、銃弾が完全に止んで黒い煙が立ち込める。動くなら今だ。

1つ心配な点といったら水瀬とはぐれてしまったことだな。アイツならレーダー探知やらで人を見つけてこっちまで来れるだろうか。そこは分からないが彼女ならおそらく大丈夫……だろう。

ライフルバッグを背負い直し、走っていると下の階に赤井とコナン君がいるのが見える。2人はこれからどうするか話し合っているようだった。

「直接的な攻撃を仕掛けてきたということは爆弾の解除に成功したということだ」

「うん、後はどうやって……」

フェンスに手をかけて乗りだし、大声をあげる。

「そのライフルは飾りですか！反撃の方法は無いのか、FBI！」

「あるにはあるが暗資スコープがお釈迦になってしまって、使えるのは予備で持っていた普通のスコープのみ。これじゃどでかい鉄の闇夜の鴉は落とせんよ」

「それはつまり、姿が見えれば落とせる？」

コナン君の質問に赤井は頷いた。

「結合部が見えればおそらく。ただ正面を向き合ってじゃ無理だ。何とかヤツの姿勢を崩し、なおかつローター周辺を5秒照らせれば……」

「照らすことはできそうだけど、大体の形が分からないとローター周辺には……」

なるほど、その明かりにこのライフルケースに入れた爆破装置も使えるかもしれないな。

ライフルケースを開き、装置を取り出して再設定しようするとまた弾丸の雨が降り始めた。
車軸ごと爆破させて観覧車を崩壊させる気なのだろう。

「まずいな、車軸にはまだ半分爆弾が残ってる」

早く時間設定さえ終わらせてしまえば。
……できた！

赤井はライフルを構えるがこの暗い闇の中ではやはり苦戦していた。

「くそっ！撃ってくる方向は分かるのにローターがどこにあるが分からない！」

コナン君が悔しそうな声を漏らした。

「大体の形が分かればいいんだったよな？」

僕はそう言いながらSYSTEM STANDBY 05と画面に表示された装置をケースにしまうと、助走をつけて空中に投げ飛ばした。

「見逃すなよ！」

空中に投げ飛ばされたライフルケースはそのまま大きな爆発を起こした。

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