監視対象は純黒の悪夢を見る【名探偵コナン】

59.慎重に ページ23

う、うーん。
安室さんがここにいるのは何となく分かったし、それだったらその爆弾のだって今探してるはずだから大丈夫だと思うんだけどな。

「……」

問題は私が協力すると安室さんとの関係がバレてしまうというか……それにここで逃げたらさすがに薄情な奴だと思われてしまう、子供の前だしそれは避けたい。
しかも蘭ちゃん達の約束放り出してわざわざここに来たんだしそれなりの理由がないとだし。
これはコナン君に協力するしかないか……？安室さんに会ったら知らないふりでもしておこう。

「うー……分かった。みんなを守る為にも協力するよ」

私は悩んだ挙げ句、抱き抱えていたコナン君をゆっくり下ろした。

「ありがとう葵姉ちゃん、とりあえず手分けして大元の方を探そう！」



***



数分後、2人で消火栓のボックスを見つける事ができた。

「わりとすぐ見つかったね！」

すぐにボックスの側面を調べ、私のレーダーに反応したトラップの装置をオフにして蓋を外そうと奮闘する。

「でもこれだけの電気コードが消火栓に集まってるのは怪しすぎるよ。開けるのは危険だと思……ッ！？」

「えっ、ごめん」

もっと早く言ってよ、開けちゃった。

「もう！爆弾もトラップもあるかもだから慎重にいってよ！」

怒られてしまった。
だって、中に入ってるやつは私のレーダー使っても爆弾っぽい電子機器じゃなかったし……と言うのをグッと堪え、「き、気をつけます……」とコナン君に返した。

それと同時に開けるときに仕掛けられていたトラップの装置をコナン君から見えないように隠す。何も道具を持ってないのにトラップ解除できたらおかしいので絶対に見せてやれないし教えない。

幸いにも隠している動作に気づかず、コナン君は中に入っているホースを少し退けて装置を見定めた。

「中にあるのは起爆装置……って事は！」

箱の中に目を向けた後、コナン君は立ち上がって電気コードの方を見る。

「あの電気コードの先のある黒いやつが爆弾だよ！起爆装置の方は下手に騒ぎを起こすと遠隔操作で爆破される可能性もある！葵姉ちゃんを止めれて良かった」

「そ、そうだったんだ……」

もし私がひき止められていなければ余計に事態が悪化していたかもしれなかったそうだ。

助けられちゃったな。

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