監視対象は純黒の悪夢を見る【名探偵コナン】

53.貴方は誰？ ページ17

出口用に正面扉開けたけど、ウォッカって人が先に出てきちゃったから、安室さん出てこないな……。

私は彼が出てくるのを待ちながら、ウォッカに見つからないように倉庫の屋根に座って待機していた。

「記憶が戻ったのか？」

「どうやらこれで私達への疑いは晴れたようね、さっさとこの手錠を外してもらおうかしら」

正面扉が開いたおかげでジンとキールの声がここまで響いてくる。

っていうか、メール送ったの誰なんだろう。スゴい良いタイミングだったけど。

「駄目よ。ラムの命令には続きが。届いたメールが本当にキュラソーが送ったものか確かめる必要があるとも。警察病院からの奪還となると厄介になりそうだけど」

ベルモットは電話でラムから説明を受けたようだった。

「案ずる事はねぇ、俺の読みが正しければそろそろ動きがあるはずだ。
……やはりな、それで目的地は？……例の機体を用意しろ」

あ、ジンって人も電話で喋ってるっぽい。

「ラムからの命令だ、確実に任務を遂行しねぇとな」

するとウォッカが倉庫へと戻り、東都水族館へ向かいキュラソーを奪還する事へと話が進んでいく。聞いた限りでは、キールとバーボンの件は後回しになるそうだ。
とりあえず良かった、と胸を撫で下ろす。

ジン達が倉庫から出て車に乗り、この場から去るのを確認すると私は屋根から降りて正面扉へ向かう。

ん？

しかし歩いている途中、何故か後ろに気配を感じ、顔を真っ青になり勢いよく振り返った。

安心しすぎてレーダー使うの忘れてたッ！

「って、え？何でここに……」

私の後ろにいたのは昨夜も会った黒いニット帽の男性、赤井さんだった。
しかも肩にライフルを入れられそうなバッグも背負っている。

「少し野暮用があってな。だが、君のおかげでその必要が無くなったようだ」

「えっと？そ、それはー……」

それはつまり、私が柱を壊して安室さん達を助けたのを見てたって事！？いやでも、他に隙間なんて無かったはずだけど。

「い、いつから見てたんですか！？」

「君がちょうど正面扉を開けたときだ」

あ、なら能力使ってないところ見られてないしセーフ？

「じゃ、じゃあ私は安室さんのところに行くので失礼しまーす……」

苦笑いしながら正面扉の方へ行こうとすると赤井さんは私の腕を強引に掴み、待ってくれ、と引き止めた。

ちょ、力強くな




「＿＿＿＿＿＿＿＿君は何者だ？」

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