10時間目。 ページ20
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三村side
何だか最近、Aの様子がおかしい気がする。
朝はいつも通り家に行くけど、
前までは家に着いてもまだ寝てたのに、
最近は僕が来るよりも早く起きて必ずもうリビングに来てるし、先に家を出てしまう。
理由を聞けば、最近は学校で勉強してるの。だって。
まぁ確かに分からなくもないけど。
だって、Aは勉強が好きらしいから。成績もかなり良い。
もうすぐテストも始まるし。
でも、
いつ勉強してるの?ってくらい、勉強してる所はあんまり見た事ないし、
いつも課題だってやってないから、勉強が好きと言うだけで、何もしなくてもAは本当にただ地頭が良いだけだと思ってた。
なのに、今日だって、
○「あれ、蓮くんまた居るの?」
Aがお手洗いに行ってる間に部屋にいれば、帰ってくるなりそう言われた。
何だか最近、言い方が冷たい気がするんだよね。
笑顔だけど、どこか僕を突き放したような、そんな言い方。
蓮「うん。今日もちゃんと課題やってるかなぁって?笑」
○「うん、やったよ?笑」
ほら、課題だって最近はいつもやってある。
蓮「え、珍しいね?笑 最近偉いじゃん!」
○「そうかな?笑…てか、蓮くん。あのさ、しばらく私の家に来るのやめない?」
蓮「っえ、なんで?」
○「だって、もうすぐテストだよ?私、勉強に集中したいもん。蓮くんが部屋にいたら出来ないでしょ笑」
なんて。
いつもなら、テスト前のこの時期はまだ、家に居ても何も言わなかったのに。
、、あぁ。きっと、いくら勉強好きでも、僕より優先した事が無かったんだ。
それに今更気づいたのが遅かったのかな。
…何だか、すっごく寂しかった。
だから、いつもみたいに言い返すことなんて出来なかったんだ。
蓮「、そう、だよね。ごめん。僕も勉強しなきゃ笑 じゃあ帰るよ。勉強頑張って?」
○「うん、ありがとう!蓮くんも頑張って?」
蓮「ありがとう」
○「うん、じゃあね〜気をつけてね!」
…あれ、今日は玄関まで送ってくれないんだな。とか。
いつもなら、
隣だしいいよって言っても、無理矢理着いてきて家に入るまで手を振って、気をつけてね!って見送ってくれるのに。
何だかすっごくAの冷たい対応が寂しく感じた。
今日は勉強捗る気がしないなぁなんて、
ただの幼馴染なのに、Aの行動1つでこんな落ち込むなんてらしくない。
僕はそのまま、着替えもせずベッドに入って眠りについてしまった。
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作者名:ぴゅかぴゅう | 作成日時:2020年5月10日 15時