《文スト》敵に恋しちゃ駄目ですか？[短編集]

綾辻行人（外伝）×京極の手下少女 ページ16

今日の御相手は、綾辻探偵事務所の冷徹さんです！
ちなみに、Aさんは京極夏彦の手下。お互いに既知だが会った事は無い設定です


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「ほぅ、貴様が京極の式神か。彼奴(あいつ)から話は聞いている。」

『…その言い方止めてよ。利害が一致して、手伝いしてただけ』


まァ、私は京極夏彦ッて男の手下みたいなもんだった。
主(あるじ)…ッて言い方も変だな。でも、長いから彼奴(あいつ)の事は主(あるじ)と表記しよう。
まァ、そンな主(あるじ)の最期の命令。それが…


「俺の監視か」

『正しくは観察だけどね』


此処(ここ)は綾辻探偵事務所。
わざわざ天敵の住処(すみか)に来た理由は、名探偵・綾辻行人の観察をする為だった。
要するに、主(あるじ)に負けた綾辻の観察をしようという、如何(いか)にも悪趣味な命令。

綾辻の背後から、煙のように主(あるじ)が現れたかと思うと、薄ら笑いを浮かべてまた消えた。
……主(あるじ)、居るじゃん。観察する意味無くない？


「あの爺、ただの嫌がらせだろう」

『珍しく貴方の考えに同意するよ』


溜息を吐いて答えると、私はノートを開いた。
まァ、最期くらい嫌がらせに付き合ってやるのも悪くない。


「おい、暇なら珈琲でも淹れて来い」

『嫌。』


私の目的はあくまで主(あるじ)の命令を果たす事であって、この男のご機嫌をとることではない。


『私を使おうなンて50年早いよ、探偵サン』


こういうのは、初(しょ)っ端(ぱな)に威厳を見せないとナメられる。
私は顔を上げると、挑発するように笑みを浮かべた。


「…強情な奴は嫌いじゃない。懐柔のし甲斐がある。」


綾辻がギシッと音をならせて椅子から立ち上がった。
冷たい瞳のなかに、何かが浮かび上がる。


『懐柔？出来るもんならしてみ…んんっ』


精一杯の強がりは、呆気なく奪われる。
にやりと意地悪く口角を上げた綾辻が、私の顎を掬ッた。


「それは楽しみだ。せいぜい足掻いてみせろ」


胸が詰まる程甘い意地悪に、私は耐えられるだろうか＿＿


ーーーーーー

綾辻「評価もしないような下僕は要らない。褒美(キス)を強請(ねだ)るなら、精一杯この俺に尽くす事だな」

ーーーーーー

綾辻「赤羽 希夜 と言ったか。リクエスト感謝してやろう。この俺を指名するとは余程の物好きか…良いだろう、気の済むまで付き合ってやる。」

織田作之助（黒の時代）×ミミック少女→←双黒×組合少女

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