検索窓
今日:15 hit、昨日:1 hit、合計:41,469 hit

#24 ページ28

綺麗な海が見える病院のとある病棟。






その一室に、黒色の髪が特徴的な女の人がベッドにそっと横になっていた。






髪と同じ色の瞳は虚ろに開かれ、健康的とは言えないかさついた唇は、同じ言葉を繰り返していた。








「どうしてどうして、なんでなんで、どうしてなんで、どうしてなんでなんでなんでなんでどうして…、________________________」







薄暗い病室に木霊するそのか細い声を聞いて、その病室に足を踏み入れたAは、必死に笑顔を作って、震えながらも声をかけた。








「_…、お母さん、Aだよ。私は、元気なんだ。

これ見て…!私が描いたの。私的には上手く描けたかなって思うんだ。だから、お母さんにも見て貰いたくってね。それで…___。」







声をかけられても、一切反応を見せない母に、Aはもう一度笑顔を作った。





「私、怒ってない、怒ってないんだよ?」





そう呟くと、俯いて涙を零した。





「怒ってないからぁ!もう一回だけっ!私を見てよッ!!!」






静かな病室に、娘の悲痛な叫びが響いたが、母はそれにも、一切反応を見せることは無かった。






ぽろぽろと黄色い瞳から落ちた涙が床に小さなシミを作っていく。






「A、帰ろうか。」






その様子を病室の扉の横で見ていたレオは、Aの頭に優しく手を置いてそう言った。







Aは腕で必死に、頬に伝う涙を拾いながらコクンと頷いた。






そんなAを、これ以上壊さないように優しく抱きしめるレオは思うのだ。





神は、Aを裏切ってばかりで、何故こんなにも残酷なんだ、と。

#25→←#23



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (94 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
210人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月永緑丸(プロフ) - わしゃもさん» フォローありがとうございます!嬉しかったです!ただ、私もフォローの仕方分からないのでどうにも出来ませんでしたが…確認は取れました!ありがとうございますー! (2018年2月15日 22時) (レス) id: 69119817af (このIDを非表示/違反報告)
月永緑丸(プロフ) - わしゃもさん» わぁ!ホントですか!良かったです!分かりました、では後ほどイメログの方もログインします!いえいえ^^*ご掲載して下さりありがとうございます!!嬉しいかぎりです!! (2018年2月15日 4時) (レス) id: 69119817af (このIDを非表示/違反報告)
わしゃも(プロフ) - 月永緑丸さん» 見つかりました!ありがとうございます!イメログの方でご挨拶させて頂きました~!イラストありがとうございます! (2018年2月14日 21時) (レス) id: 1e4db32e5d (このIDを非表示/違反報告)
月永緑丸(プロフ) - あっ、いちおう見つからなかった時に役に立つかわかりませんが、投稿の作者名はそのまま月永緑丸なハズです!ヨロシクお願いします! (2018年2月14日 0時) (レス) id: 69119817af (このIDを非表示/違反報告)
月永緑丸(プロフ) - わしゃもさん» いえいえ^^*もう、色々と分からなくて…本当はまとめてあげたかったのにバラバラに投稿してしまう形となりました(T_T)とても悲しい…タグ付けしました!#あんスタ#月永レオ#イメージキャラのタグ付けとなります! (2018年2月14日 0時) (レス) id: 69119817af (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わしゃも | 作成日時:2017年12月30日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。