蝶のいた図書室 (ページ9)

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七冊目【気持ち】ページ9

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「え？」

「そもそも、手紙は書き手の思いが
込められたものです、どんな奇怪な文章であれ
書き手の意思を汲み取るのが大事……
その人は手紙を読みましたか？」

「……見ないで破いた」

「なんって最低な！Aさんの思いを
見る事なく破いたのですか！？」

私の思いは告白で伝えたけど…。

「って事は告白だけ聞いてそんな事を
ぬかしたんですか！？」

「……うん」

「最低過ぎます！人が一生懸命書いた手紙を
破くだなんて！いやそもそも手紙を破る
行為事態最低です！」

……なんか論点ズレてね？

私が男を嫌いな理由話してたのに

いつの間にか手紙を破く行為の話になってる…。

……てか、なんでそんなに自分事みたいに

怒れるの？

「まるで自分事みたいに怒るね」

「なんと言いますか……私は告白とか恋愛に
縁はありません……ですが、誰かが一生懸命
伝えようとした思いを踏みにじられるは
どうしても……耐えられないんです」

……

「どうして耐えられないの？」

「難しい質問しますね……自分事ですが
私は思いを伝えられる人に憧れています
私は、思いを伝えるのが苦手なんです
どう伝えたらこの人を不快にさせないかな？
とか色々考えてしまって……

……だから、でしょうかね勇気を出して伝えた
思いを踏みにじられるのが耐えられないのは」

……なんか、なんって言えばいいんだろう。

「……優しいね」

何故か口から出た言葉。

何故出たのか分からない。

「や、優しいですかね？」

「優しいと思う、自分事みたいに怒るし
誰かの事を思ってるし」

「は、恥ずかしいです！！」

顔を隠し、此方に背を向ける。

なんでかな……本当

自分らしくない発言をしてるな……。

……少しだけ、この子だけ、

もう一度信じてもいいかな…。