総統閣下、かくれんぼですか？

十一回目 ページ13

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『グーちゃん？』


夢を見ている


暗い部屋で泣いてる総統閣下を見つける

昔の夢



『グーちゃん…嫌な事、あったの？』


『…』ｺｸﾝ


子供の様に泣きながら頷く総統閣下は


今よりも幼く感じた


いや違う、幼いんだ


確かこの時、総統閣下はまだ総統閣下じゃ


なかった


まだ10に満たすか満たさないかの歳なのに


少佐として存在していた


そしてこの時の私もまた


メイド長ではなく、メイド見習いだった


幼かった事もあってか、私は総統閣下の事を


「グーちゃん」と呼んでいた



『泣かないで、グーちゃん』


泣いてる総統閣下を抱き締めてあやす私

それでも総統閣下は泣いていた


『…もう訓練イヤ…苦しい…』



10歳なのに少佐になった事を認める連中なんて


当時いなかった


そのせいなのか、総統閣下の訓練はいつも

子供にとって過酷なものをさせていた


頭は良かったが、体力がなかった総統閣下は


いつも訓練中に倒れた


子供の体力や精神なんてたかが知れてる

だが、それすら周りは許さなかった


努力が足りないなどと言って追加訓練

させたりもしていた


『グーちゃん苦しめる人、私嫌い』


『…A…』


『グーちゃん、待っててね…私がなんとか
してあげる』


『…うん』



場面は切り替わった



血塗れになった部屋と肉の塊


幼い私の手には包丁





そうだ、私は









総統閣下の為に、人を殺したんだ

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