Dry or Wet Peace-7 新開side ページ29
曖昧なラインに飛び込む覚悟はしてたつもりだった。
現実はどうして上手く行かないんだろう。っ思っても止められない
米粒を取られた瞬間【期待】してしまった。Aの一番は俺がなれる！って…
食事を終わらせ、後を追うように食堂を飛び出す
今日のアイツは委員会の当番のはずだ。真っ直ぐに図書室へ走って行く
入口のＰＣの前に見慣れた影をみて顔がほころんだ
「新開君のリクエスト本はまだ来てないんだけど…」
苦笑いなのがよく分かる…けど、その事に見ないフリするが出来る様になった
「あーあ、ちょっとショックかも。」
【Aに会いに来た】って言う勇気が欲しいよ
「いっそ、ジャンル変えて…歴史長篇なんてどうかな？」
カウンターに手招き、側に寄って。と、あどけなく言う君にちょっと驚く
本が絡む時だけは、小さい頃と変わらないな…
安心する反面…
憎らしい。
「無理。歴史モン読むと眠くなった」
近くて遠い…埋めたいな。でも、距離が君に必要なら…
ねぇ、ってAが声をかけ
「ミステリーみたいなラノベはあり？」
ＰＣから顔を上げる。物理的な距離が近づく
『俺が、男だってこと…わかってる？』
って、アイツのお気に入り漫画のイケメンなら言うとこだなコレ…
「ラノベ…読んでみよっかな？Aのオススメを借りて行くよ。」
距離をとって、手渡された本を受け取りパラパラと目を通す
新世界より…と言うタイトルで、中々にぶ厚い
「最近のお気に入りなんだ。良かったら…」
これ以上そばにいたら心臓が持たなそうだし
軽く頷いて、いそいそと図書室を出て行く
屋上で借りた本を読んでいると栞らしき紙が落ちる
拾い上げると、尽八と彼女の写ったプリクラだった
「冗談だろ」
もし、本当なら俺は身を引かなくてはならない…
モヤモヤしたキモチが胸を刺す
適当なページに挟み込み教室の机の下にしまう
(読む気…失せた…)
Dry or Wet Peace-8 東堂side→←Dry or Wet Peace-6
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イナユキ | 作成日時：2015年2月6日 19時
