Non-STOP！【稲荷崎】 (ページ4)

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「御免、宮くん遅くなった…、」

がらがら、生徒会室の扉を開けて部屋を見渡すも宮くんらしき人は居ない。
その代わりと言ってか、私の席に一人の男の子が突っ伏して寝ていた。

え、誰…

そして、宮くんの机の所にメモ紙があって、『A、悪いけど呼ばれたからちと遅くなる、』との綺麗な文字。

今日は会長の私と、副会長の宮くんのみの集合だから、それ以外の人が集まる必要は無し。

つまりは、彼は関係無いのに生徒会室に？

まあ誰だか分からないけど、起こすしかない。
だって其処、私の席だもん。座れない。

「おーい、起きて下さい、…！」

ゆさゆさ、肩を揺らすも起きない。
って言うかこの頭…何処かで…

「あっ、宮くんの片割れ、！！」

「んー、なンや…騒がしい…」

ぼさ、と頭を上げた彼は虚ろな目をしつつ、眉間に皺を寄せる、

上がった顔に見覚えはある。
だって宮くんにそっくりだから。

「っ、て会長さんやないかい、

んふふ、お早う、」

にひ、と子供の様に笑った彼は欠伸を一つ溢して無意識にか、ぽんぽんと私の頭を撫でる。

「え、あ、お早うございます、？」

どこから突っ込めば良いのか分からず、取り合えず挨拶を交わしておく。

「せや、会長さん、治見てへん？」

「あ、宮くんなら呼び出し…」

「まじか、彼奴またか…」

「また、…とは？」

初対面にも関わらず、話しやすいのは宮くんの片割れだからか、彼のコミュニケーション能力が高いのか。

多分後者だと思うけど、さらさらに整った金髪は宮くんとは逆に流されていている位が区別の差って言う位顔が似てる。
…それは物凄く。

「どうせ告白やろ、」

「っ、こ…！？」

そうだった、宮兄弟さんは凄い人気有るんだった…
さらりと言って退けた彼の顔は険しくなっていて。
それも束の間、今度は意地悪な顔をしてから、

「会長さんウブやなぁ、」

なんて笑ってくる。

あ、宮くんと徹底的に違うとこ見つけた。

…めっちゃ表情豊か。

そう思った時。

「すまん、A遅なってもうた…って、

お前なんで此処居るんや、侑。」

がらがら、っと扉が開いて、如何にも機嫌を悪くした宮くんが入ってきた。