【黒子のバスケ】未来へのキセキ XⅠ (ページ13)

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第513Q 食らいつく挑戦者たちページ13

「諦めないで！またすぐ出てもらうわよ！」

「……え？」

「第1Q残り3分少し…あなたに全部あげるわ。だから思い切りやられてきて欲しいの…もう1度戦って勝つために！」

リコが黒子に伝えたことは土田にも伝えられており彼の口からコート内のメンバーたちに伝えられた。

「このまま黒子をただ引っ込めたらそれこそ再起不能だ。
だからあえて黒子にプレイし続けてもらって本人、カントク、オレたちみんなで黒子の復活策…
もしくはそのヒントを見つけ出す！てゆーわけでオレは伝令役。」

つまり第1Q、約3分間ほぼ戦闘不能の黒子込みで4人で洛山と戦うようなものである。

もう1度気合いを入れ直しす火神、その様子に伊月はため息をつきながらこう伝えた。

「やる気はいいが…オレたち忘れんなよ！全員でフォローするんだ。」

今まで幾度となく襲ってきた誠凛のピンチを救ってきたのは間違いなく彼だった。

「今まで散々助けてもらってきたんだ、恩返ししないとな。」

「ダァホなんだ恩返しって、んな他人行儀な話かよ。仲間助けるなんてあったり前だろーが今更勇んでやったら小っ恥ずかしいわ。」

いつも通り木吉の言葉にツッコミを入れ、日向の首がコキっと鳴る。

洛山と同点に並んだ誠凛、そのタイミングで再び鳴る選手交替のブザー。

「それでもやっぱり…すまないわね黒子君。こんな風にコートに戻すなんて……」

「……いいえ、逆です。ありがとうございます。」

黒子の再びの登場に、視線誘導を知る周囲は驚いた。

コートに戻った直後、彼はめげることなく消えるドライブ、幻影のシュートを放つがどれも見事に防がれてしまう。

やはり戦力外の彼を入れての試合は洛山に逆転を許した。

「どーゆつもりか知らないけど、戦力外の黒子を入れたまま洛山とやろうなんて甘いんじゃない？」

この実渕の言葉がある人物のスイッチを入れた。

第1Q残り3秒、なんとか王者に食らいつく挑戦者たちに好機が回ってきた。

木吉のバイクスローガン根武谷に競り勝ち、ボールは3Pを待ち構えていた日向へ

即座にマークへ戻った実渕だが、日向の不可侵のシュートにより反応を出遅れる。

そして、ボールはリングにかすることなく綺麗にリングへ収まった。

「…さっきの、ウチが甘いんじゃなくてそっちがなめてんじゃね？」

「…ふーん。」

日向と実渕、SG同士でピリピリとした緊張感が走った。