意地悪さとちゃん。【桃色】Part.2 (ページ13)

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No.59 ページ13

さと「…何で俺に好きな人がいると？」

『何だっていいでしょ！』

圧が凄い。

抱きしめられていた腕に力が入るのがわかった。

でも、あの言葉は信じていいのか？
あんな噂に乗っかっていいのかな。

分かんなくなってきたぁ…

『本当に好きな人はいるの？』

さと「いるって言ったらお前は前みたいに避ける？」

え、

さと「A。」

『やだよ。だって幼馴染だもん！ずっと友達がいいからやだよ。もし、さとちゃんに好きな人がいても。』

涙目になって訴えかける。

なんで泣きそうなんだよ。

ずっと昔からの友達がどっかにいきそうなのが怖いの？
……それだけじゃない、この気持ちは何？

さと「まだその質問には答えられねぇけど、安心してろ。」

と言ってさとちゃんは私の頭をポンポンと優しく撫でる。

気持ちいい。
涙も引っ込んで落ち着いた。

それから暫く二人で静かに人が来るのを待つ。

気まずい。

『さとちゃん。』

彼の方を向いて呼びかける。

さと「ん、どした？」

『…私の無くしちゃったピアスの事覚えてる？』

まあ、覚えてる事ないかなぁ。

さと「ちゃーんと覚えてるよ。…俺が3年前、お前の誕プレにあげたやつだろ？」

意外すぎる。
ちょっと驚きすぎて顎外れそう。ごめんこれ嘘。

『私さ。あれくれた時むっちゃ嬉しかったんだ。こうやって私の好みを知ってくれてるのも勿論そうなんだけど…』

何より、

『親からもまともにプレゼントもらえなかった私がさ。初めて友達になった子に、幼馴染でここまで仲良くできて、たっくさんの経験を味わってとっても嬉しいの。』

『さとちゃんが幼馴染で良かったよ。』

今言う事じゃないかもしれないけど、唐突に言いたくなっちゃった。

いっつもありがとね、さとちゃん。

さと「…………あのさ、A。俺、「誰かいますか？」」

え、？！

『もしかして、警備員さんですか？！』

待って待って。
警備、本当に来るんだ。

良かった、私たちちゃんと生きてるよね。

「大丈夫ですか？！」

警備員さんは懐中電灯で辺りを明るくする。

さと「あーあ。もうちょっとだったのになぁ。」

あ、そーいえば。

『さとちゃんさっき、なんか言いかけてなかった？』

大事な話かな？
ちょ気になるんやけど。

さと「いーやなんでもない。…んな事より早く帰ろーぜ。」

あっ、誤魔化した！！

ずるいぞそれは。

すると、

ゴトッ

彼のポケットからスマホが落ちる。

さと「あ"」

『は？？？許さじ。』