意地悪さとちゃん。【桃色】 (ページ34)

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No.32 ページ34

あれから1年、2年……とバトンが渡されていき、遂に私の番となった。

スタートラインに立ち、バトンを待つ。

やっ、やべ。

すっごい緊張する。

『ふぅ……』

転ばないかな。

大丈夫だよね？！

だんだん不安になってくるぅ。

さと「A、頑張れ。」

…へへっ、

『おうよ、任せな。』

さと「誰だよww」

ちょっとは緊張ほぐれたかも。

大丈夫。

私ならできる！

岩崎「はいっ、！A、頑張って！！」

蓮くんからバトンをもらい、走り出す。

今の順位は……ちょうど真ん中くらいかな。

さっきうちのチームの子が転んじゃって順位が下がっちゃったけど、そっから蓮くんが挽回してくれた。

よし、これならいける。

足は捻ってるけど、調子は比較的良き。

『ふぅ……ふぅ…』

呼吸を整えて。

一人、また一人抜かしていく。

奏多「先輩はやっっ。頑張ってくださーい！！あとかっこいいですねー！」

奏多くんの声がすっごい聞こえる。

周りの人が私をガン見する。

はっっっっず。

っていうか気付いたら今ニ位やん。

距離はあと半分くらいかな。

次はアンカーのさとちゃん。

さとちゃんなら一位を取ってくれるに違いない。

まあ、一応一位にはなりますけど。

一位は女の子だった。

あ、おんなじ陸上部の子だ。

一軍女子だね。この子と話したことないけど。

じゃあ、ちょっと申し訳なくなってきたけど泣かさせてもらいやす。

ぐっ、と一気にスピードをつけて抜かす。

『…っ？！』

と思いきや、私は何かに躓き、転んでしまった。

え？？？

なんか石でも落ちてた？

ばっ、と一位の子を見てみる。

その子はにやっと笑ってまた走っていった。

もしかして？

あのー、よくあるイジメってやつ？？

可愛くてごめんね。

じゃなくて！！

やばい、はやく走り出さないと。

『…っ、！……そんなん構ってられないっっ』

転んだ時にさっきの痛みが悪化したらしい。

が、抜かされないように頑張って走る。

奏多「A先輩！！怪我大丈夫ですか？！」

岩崎「足大丈夫？！？！」

二人が心配してくれている。

ありがとね。

『…っだい、じょうぶだよ！』

二人に迷惑を掛けないよう、笑顔を作る。

二人ともなんでそんな私に構うんだろう。

……ってそんな事考えてないで！！！！

私は引き続き走る。

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__第三弾__

岩崎蓮

Aのクラスメイト。サッカー部のエース。爽やか系イケメンってやつです。