犬猿の仲ってなんだっけ【風丸一郎太】

第２３話 ページ23

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｢……Aどこ行ったんだろな……なんかされてないだろな……｣






不安そうな風丸とは対照的に、金雲の部屋はほんわかしたムードが流れている。

しかし、その部屋にAはいない。似たような4、5歳の子供ならいる。その子供は驚き、めを真ん丸に見開いている。






｢おーほっほっほ、成功しましたねえ。｣


｢はい！これでどうなるかが問題ですね……｣


｢……お姉ちゃん達、何がもんだいなの？｣




そして、それまで笑顔だった大谷と金雲の顔が青くなる。そして、顔を見合わせて大変な事に気づく。




｢これは……中身まで4、5歳の頃になってますね……｣


｢ま、まあとりあえず！私が練習場まで連れていきますね！｣


｢おかあさん……おとうさん……ここどこ……？｣





3人ともかなり戸惑っている。このままだとパニックにもなりかねないため、大谷は外に出る事にした。

灰崎達が誘拐犯を見るような目で見ていたのは言ってはいけない。





｢監督……とうとうあんなちっちゃい子誘拐してきたのかよ……｣






てくてくと歩いていくと、練習場に出た。今まで少し恐怖で震えていたAに少し喜びの表情が見えた。

そして大谷は自己紹介を忘れていた事を思い出し、｢私の事はつくしお姉ちゃんって呼んでね｣と付け足した。

あっという間にAの目が輝き出した。小さな口を開き、一生懸命に大谷に聞く。






｢つくしお姉ちゃん、あっち行ってきていい？あの水色の髪のお姉ちゃんのとこ！｣





恐らく指しているのは風丸の事だろう。しかし幼少期の記憶だ、会ったことも見たことも無い人である。このお姉さんが自分が中学生になったら彼氏になるとも知らないのだろう。





｢Aちゃん、あのお姉さんはお兄さんだよ。男の子。｣


｢そうなの……！？とっても可愛いから……とになく、あのお兄ちゃんの所行ってきていい？なんかすごい気になるの！｣


｢もちろんです！風丸君ならしっかりしてますしね。あのお兄ちゃんの事は風丸お兄ちゃんって呼んであげてくださいね！｣






Aは小さく頷き、風丸の方へ駆けて行った。







(やっぱり、ちっちゃくても惹かれるものは惹かれるんですね……)




大谷は密かにそんな事を思ったとか。









お久しぶりです。

犬猿の番外編【イナズマイレブンオリオンの刻印】

プロポーズ編やってます。

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