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* Side Soraru


__この家の、地下室です


天月はそう言った。Aちゃんのことだろう。聞かなくても分かる。


そ「まふ……」


そう声を掛けたが、完全に頭に血が上っているまふは俺の声など聞かず、逃げた二人を追って家を飛び出してしまった。

仕方が無い。小さく舌打ちをすると地下に向かって駆けだした。



そ「Aちゃん!!」


返事は聞こえない。取り敢えず、一番近くの部屋のドアを蹴破る。

Aちゃんは確かにそこにいた。

再び名前を呼ぶと、彼女は此方を見た。

手足を拘束され、おまけに猿轡まで嵌められている。心なしか顔色も悪い。少し衰弱しているようだ。


そ「ごめん……」


例えようの無い程の罪悪感に襲われる。

彼女を縛り付ける手錠やら足枷を引きちぎり、彼女を思いっ切り抱きしめた。


 『そらるさん……』


震える声で俺の名前を呼ぶ。腕の中の彼女がたまらなく愛おしかった。彼女を危険に晒してしまったことを申し訳なく感じた。


そ「ごめんね、もう大丈夫だから」


いつの間にか頬を涙が伝った。泣いたのなんていつぶりだろう。止めようとしても、涙はひっきりなしに頬を濡らしていった。

腕の中の彼女は意識を失っていた。

昨日の夜から拘束されていたなら、会えなかったのは半日にも満たない。この衰弱の仕方は不自然だ。

魔法は苦手だが、まふもいない状況だ。仕方が無い。

手のひらを彼女に向け、癒しの力を注ぎこんだ。

少しだが、顔色は良くなった気がする。呼吸も楽そうだ。

その代償か、既に激しい頭痛を感じる。不慣れな魔法を使った結果だ。


だるさを訴える体に鞭を打ち、立ち上がる。

彼女は一旦この家の何処かで寝かしておこう。

天月と96猫が関わっているのは事実だが、あの二人が、この状況でのこのこ帰ってくるとはまず考えられない。


そ「まふ……」


彼は今どうしているだろうか。天月たちと戦っているかもしれない。加わった方が良いだろう。


彼女は暫くは目を覚まさないであろう。

まだ壊していない部屋に彼女を寝かせ、まふを探しに行こう。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−
吸血鬼って魔法使えるんですかね(今更)

真実の告白→←◆



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設定タグ:歌い手 , AtR , 吸血鬼   
作品ジャンル:ホラー
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もみじ(プロフ) - 最後の展開が予想外でめっちゃくちゃ面白かったです!!好きな歌い手さんしかいなくて読んでて幸せでした(笑)  (2022年6月8日 17時) (レス) @page50 id: f10d40c9f5 (このIDを非表示/違反報告)
咲魔_ジャジャ麺 - 好きです!最新頑張ってください!そして英語ぉなんもわかんない(翻訳?みたいなの使ったけど) (2019年2月9日 16時) (レス) id: ac3afb786c (このIDを非表示/違反報告)
眠気の極み(プロフ) - あほの人。さん» そこまで言っていただけるとは……! 沢山の小説の中から見つけてくださりありがとうございます! コメントありがとうございます! (2018年12月23日 11時) (レス) id: 4d945e9819 (このIDを非表示/違反報告)
あほの人。 - めっちゃ好みです!!検索したりしてたら、眠気の極みさん見つけて、うわぁぁぁ!!!ってなって、見たらやっぱ神作でした、、、!!これからも頑張ってくださいね!! (2018年12月21日 16時) (レス) id: 1ae863597a (このIDを非表示/違反報告)
眠気の極み(プロフ) - わあああ褒めてくださりありがとうございます!描写にちょっと悩んだところだったので嬉しいです…! (2018年11月25日 20時) (レス) id: 4d945e9819 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:眠気の極み | 作成日時:2018年10月23日 17時

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