吸血鬼にさらわれました。【そらる】【まふまふ】

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* Side Amatsuki

森の中に隠れる96ちゃんと合流した。


96「おおー天月、遅かったけどどしたの？」

天「いやー、何もないよ」


そっか、と96ちゃんが言った。


天「この後どうすんの？」

96「んー……多分二人にはバレてるよね？Aがいなくなったことは」

天「なんか魔法使ってるぽかったからバレてるんじゃない？そのうちAちゃんの場所もバレるよ」

96「じゃあ私がぱぱっとAのとこに行って認識阻害の魔法かけてくるわ、それなら見つからないでしょ」


分かった、と答えた。

彼女の魔法は強力だ。きっとまふくんが魔法を使って見つけ出すことは出来なくなるだろう。



さあ、行かなくては。



森の中に建つ洋館を眺める。

何だか怖気づいてきたが、ここで引き返しては意味が無いので、覚悟を固める。

意を決して、ドアを開けた。

数秒後に、目の前にまふくんが現れる。

空間転移の魔法を使ってきたらしい。


ま「Aちゃん!?」


来たのがAちゃんではなく俺だと知ると、少し落胆したような表情を見せた。


ま「ねえ！Aちゃん知らない!?」


しかし、直後に噛みつくような勢いで聞いてくる。

今すぐにでも教えてやりたいが、96ちゃんがいるうちに教えたら色々とマズい。

口ごもる俺を見て、彼は俺が関わっている、と判断したようだ。


次の瞬間、魔法によって作り出された衝撃波が、轟音と共に俺のいた場所を襲った。

咄嗟に跳躍で回避する。

衝撃波は開いていたドアを通り抜け、森の木を数本吹き飛ばした。


そ「Aちゃん!?」


違うドアから音を聞きつけたそらるさんが飛び込んできた。

珍しく焦った表情をしている。


そ「なんで天月……どういう状況なの？」


まふくんは誰かの言葉など聞こえない程に頭に血が上っているようだ。

再び衝撃波を放とうと身構えている。


その時だった。



96「天月ー？」


唐突に俺の隣に96ちゃんが現れた。

Aちゃんとの話は終わったようだ。俺のところに転移するように魔法を使ったのだろう。最悪のタイミングだ。


96「うっわ、何やってんの!?逃げるよ!?」


そのまま彼女は家から飛び出していった。後を追う前に、そらるさんの近くに一旦跳躍する。


＿＿この家の、地下室です


そらるさんに聞こえていたならば、意味は察してくれるだろう。

そのまま、96ちゃんの後を追って、家を飛び出した。

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