◆ ページ30
・
そ「Aちゃーん？天月ー？」
部屋に入って来たのはそらるさんだった。
コーヒーの様な飲み物を持っている。淹れてきてくれたのだろうか。
天「おお！そらるさん！ありがとうございます！」
さっきまでの様子とは打って変わって、ただの明るい青年に戻った天月さんを素直にすごいな、と思う。
天「Aちゃんとお話しできてよかったです！ね、Aちゃん」
『え？』
唐突に話を振られたため、素っ頓狂な声が出たが、そらるさんに見つからないように天月さんが軽く睨んできたので仕方なく話を合わせる。
『はい、お話できて良かったです』
そ「何話したの？」
天「それは俺とAちゃんだけの秘密だよね？」
『そう…ですね』
それじゃ帰ります、と言って天月さんは帰っていった。
＿＿次に俺が来るまでにどうするか考えといてね
そう私の耳元で呟いてから。
その声は今までで一番低く、背中を冷や汗が伝った。
そ「せっかくコーヒー淹れたのになぁ…」
そらるさんは残念そうに言いながら私の隣に座り、自分で淹れたコーヒーを飲んでいた。
私にもう一つのコーヒーを渡しながらそらるさんは聞いてきた。
そ「で、天月と何話してたの？」
言ってしまおうか、とも考えた。
しかし、天月さんにあんなことを言われてしまった今、少しだけだが二人を疑う気持ちも芽生えている。
彼に言われた通り、あなたたちが怪しいから逃げ出さないかって言われたんですーなんて言えない。
そらるさんは静かにコーヒーを飲んでおり、その顔はカップから出る湯気に隠れて見えない。
怪しまれるだろうが、嘘を吐くしかないと判断する。
『何でもない話ですよ。世間話です。』
そう答えると、ふーん、と言ってそらるさんはそのままコーヒーを飲み続けた。
もしあの時、素直に話していれば、彼が傷つくことは無かったのだろうか。
私の浅い考えと心の弱さが招いた事態だ。
私が短慮で、浅はかだったからこうなってしまったのだろう。
私がもっと、思慮深ければ。
私がもっと、先を見通して行動することができていたならば。
彼らに最終的な非は無い。
悪いのは私だ。
どうして、こうなってしまったのだろう。
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もみじ(プロフ) - 最後の展開が予想外でめっちゃくちゃ面白かったです!!好きな歌い手さんしかいなくて読んでて幸せでした（笑） (2022年6月8日 17時) (
レス) @page50 id: f10d40c9f5 (このIDを非表示/違反報告)
咲魔＿ジャジャ麺 - 好きです！最新頑張ってください！そして英語ぉなんもわかんない(翻訳？みたいなの使ったけど) (2019年2月9日 16時) (レス) id: ac3afb786c (このIDを非表示/違反報告)
眠気の極み(プロフ) - あほの人。さん» そこまで言っていただけるとは……！ 沢山の小説の中から見つけてくださりありがとうございます！ コメントありがとうございます！ (2018年12月23日 11時) (レス) id: 4d945e9819 (このIDを非表示/違反報告)
あほの人。 - めっちゃ好みです！！検索したりしてたら、眠気の極みさん見つけて、うわぁぁぁ！！！ってなって、見たらやっぱ神作でした､､､！！これからも頑張ってくださいね！！ (2018年12月21日 16時) (レス) id: 1ae863597a (このIDを非表示/違反報告)
眠気の極み(プロフ) - わあああ褒めてくださりありがとうございます！描写にちょっと悩んだところだったので嬉しいです…！ (2018年11月25日 20時) (レス) id: 4d945e9819 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眠気の極み | 作成日時：2018年10月23日 17時
