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幕間 ページ24



* Side Soraru

俺も、まふもAちゃんに好意を抱いていることには薄々気が付いていた。

しかし、まふにはそこまで大胆な行動はとれないだろう、と思っていた。


甘かった。


暇だったから家の中を歩いていた時だった。

わずかに開いていたAちゃんの部屋のドアから聞こえる、二人の話し声。

そっと部屋を覗くと、優しくAちゃんを抱きしめるまふと、ここからでも分かる位顔を赤く染めたAちゃんが見えた。



どうして。どうして。どうしてどうしてどうして。どウしてどウシてドウシてドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテ。


何故Aちゃんは俺のことを見てくれないのだ。
何故Aちゃんは俺に振り向かないのか。


怖かった。


Aちゃんが、自分から離れていくことが怖かった。

愛する人が、自分を見てくれないことが怖かった。

今すぐにでも部屋に飛び込んで二人の間に入り、引き裂いてやりたい。

でもそんなことをしたら、Aちゃんは、二度と俺に好意を向けることは無いだろう。

わずかに残る理性的な自分が、部屋に飛び込むのを押しとどめた。

きつく握った拳に爪が食い込み、血が流れる。

でもそうでもしないと、取り返しのつかないことをしてしまいそうで。

『あの時から』ずっと一緒で、唯一の信頼できる存在であるまふを消してしまいそうで。

自分が怖かった。

よろよろと部屋から離れ、壁に背を預けて座り込む。

どうしたらよいのだろうか。

不意に、思考の霧が晴れる。

そうか。

Aちゃんが、自分のことも好きになるように振る舞えばよいのか。

簡単なことじゃないか、と薄い笑みが漏れる。

この数日の生活で、Aちゃんが心優しい子だとは気付いている。

どちらかと選択を迫られたとき、簡単に片方を切り捨てることなどできないだろう。

まふが部屋から離れるのを待って、俺も部屋に行こう。

彼女が喜びそうなことを好きなだけしてあげよう。

そしていつか、自分のことしか見えなくなるまで愛してやろう。







____一人の吸血鬼はゆっくりと立ち上がった。

____その蒼い目には、確かな光が宿っていた。

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設定タグ:歌い手 , AtR , 吸血鬼   
作品ジャンル:ホラー
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もみじ(プロフ) - 最後の展開が予想外でめっちゃくちゃ面白かったです!!好きな歌い手さんしかいなくて読んでて幸せでした(笑)  (2022年6月8日 17時) (レス) @page50 id: f10d40c9f5 (このIDを非表示/違反報告)
咲魔_ジャジャ麺 - 好きです!最新頑張ってください!そして英語ぉなんもわかんない(翻訳?みたいなの使ったけど) (2019年2月9日 16時) (レス) id: ac3afb786c (このIDを非表示/違反報告)
眠気の極み(プロフ) - あほの人。さん» そこまで言っていただけるとは……! 沢山の小説の中から見つけてくださりありがとうございます! コメントありがとうございます! (2018年12月23日 11時) (レス) id: 4d945e9819 (このIDを非表示/違反報告)
あほの人。 - めっちゃ好みです!!検索したりしてたら、眠気の極みさん見つけて、うわぁぁぁ!!!ってなって、見たらやっぱ神作でした、、、!!これからも頑張ってくださいね!! (2018年12月21日 16時) (レス) id: 1ae863597a (このIDを非表示/違反報告)
眠気の極み(プロフ) - わあああ褒めてくださりありがとうございます!描写にちょっと悩んだところだったので嬉しいです…! (2018年11月25日 20時) (レス) id: 4d945e9819 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:眠気の極み | 作成日時:2018年10月23日 17時

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