◆ ページ14
・
あの後そらるさんは私が泣き止むまでずっと傍にいてくれた。
そ「お腹空いたよね？何か食べる？」
確かにお腹は空いている。はい、と答えると、彼はちょっと待ってて、と言って部屋を出て行った。
直後にドアが開き、これ掛けてて、と彼が羽織っていた上着を肩にかけてくれた。
『ありがとうございます』
そう言うとそらるさんはふわっと笑って本当に部屋を出て行った。
(この服真っ黒だなぁ…裏地は青なのか…)
『ん？』
青い裏地に、赤い小さなシミがついている。
血だ。
明らかに血だ。
どうして服に血がついているのか。
『なんで…』
そう呟く。
そ「Aちゃーん、出来たよー」
ガチャッとドアが開き、シチューらしきものを持ったそらるさんが入ってきた。
『あ…』
そ「ん？何かあった？」
『あの…この赤いの…』
そ「あぁ、それは出掛けた先で鼻血出しちゃってさ」
そんなとこにも付いてたか、と少しだけ笑った。
『鼻血ですか…』
そらるさんが鼻血を出している様子を想像すると少し笑えてきた。
『ふふっ』
思わず堪えきれなくて笑うと、彼は嬉しそうな表情で、
そ「やっと笑ってくれた」
そう言った。
何故あんなにも分かりやすい嘘を信じたのか。
彼の優しさか、自分の油断か。
私は、もっと疑い深くあるべきだったのだ。
知らない場所の、知らない家の、知らない人と暮らしておきながら、どうしてそう在れなかったのだろう。
そうしたら、ああはならなかったかもしれないのに。
全て、全て全て全て、私が悪かったのだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
一日で1900hitって何事
有名なスター作者の方々から見れば大したことない数字かもしれませんが！私にとっては！とんでもない！数字です！ありがとう！ございます！
眠気の極み
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 232人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【歌い手】歌い手さんからの扱いが酷すぎて泣きそうです
吸血鬼にさらわれました。-Side Story-【そらる】【まふまふ】
ただの大学生は小さくなった浦島坂田船を育てなくてはいけないようです。ぱーとつ...
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もみじ(プロフ) - 最後の展開が予想外でめっちゃくちゃ面白かったです!!好きな歌い手さんしかいなくて読んでて幸せでした（笑） (2022年6月8日 17時) (
レス) @page50 id: f10d40c9f5 (このIDを非表示/違反報告)
咲魔＿ジャジャ麺 - 好きです！最新頑張ってください！そして英語ぉなんもわかんない(翻訳？みたいなの使ったけど) (2019年2月9日 16時) (レス) id: ac3afb786c (このIDを非表示/違反報告)
眠気の極み(プロフ) - あほの人。さん» そこまで言っていただけるとは……！ 沢山の小説の中から見つけてくださりありがとうございます！ コメントありがとうございます！ (2018年12月23日 11時) (レス) id: 4d945e9819 (このIDを非表示/違反報告)
あほの人。 - めっちゃ好みです！！検索したりしてたら、眠気の極みさん見つけて、うわぁぁぁ！！！ってなって、見たらやっぱ神作でした､､､！！これからも頑張ってくださいね！！ (2018年12月21日 16時) (レス) id: 1ae863597a (このIDを非表示/違反報告)
眠気の極み(プロフ) - わあああ褒めてくださりありがとうございます！描写にちょっと悩んだところだったので嬉しいです…！ (2018年11月25日 20時) (レス) id: 4d945e9819 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眠気の極み | 作成日時：2018年10月23日 17時
