検索窓
今日:10 hit、昨日:25 hit、合計:34,464 hit

ページ29

.





台所に入ると、気配に気がついたAが振り返った。


「どれが使っていい湯のみだ?」

「その辺にあるのは使っても大丈夫だよ。ちょっと待っててくれれば入れて持っていくけど……」


Aは洗い物途中で泡だらけの手と俺の顔を交互に見て、困ったように目尻を下げる。


「いや、それくらい自分でやるさ」


俺は適当に湯呑みをとると、緑茶の粉を入れ、電気ポットの下に持っていき__……
ピンポーン。
リビングでは春風も教育番組を見ているのに、やけにインターフォンの音が強く響いた。
Aと思わず顔を見合わせる。

酷く嫌な予感がした。
気配的に銀時、では無い。
もう一度、ピンポーンとインターフォンが鳴らされる。
Aも勘が鋭い奴で、嫌な気配を感じ取ったのか眉を寄せて外を睨んでいた。


「……俺が出よう」

「えっ、でも……」

「いい。お前もわかってるだろ。複数人、いる」


俺は一応舐められねぇように羽織を肩にかける。
今の服装は白いシャツに黒いジーンズなので、薄紫の羽織はなんとも異質だ。
だが、牽制くらいにはなるだろう。

廊下を通り抜けて、俺は堂々と玄関のドアを開けた。


「ンなに鳴らさなくても聞こえてらァ」


そこに広がる想像と違う景色に、思わず一瞬瞠目する。
それは向こうもだったようで、俺の目の前に立っていた男は驚いたように目を見開いていた。
俺はゆっくりと口を開く。


「むさ苦しい男がぞろぞろと何人も、一体何の用だ」

「警察だ。ここにAAさんがいるという情報を受けてここに来た。彼女が関わったとされる詐欺事件について、署でお話をお聞きしたい」

★→←★



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
95人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 高杉オチ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

神桜(プロフ) - 新作ありがとうございます!!! (2021年8月27日 16時) (レス) id: 86ea1c42a8 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 通行人Fさん» コメントありがとうございます!好きと言ってくださってとても嬉しいです!大変励みになっております!コメントありがとうございましたぁ!!!! (2021年8月22日 18時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
通行人F(プロフ) - ヒェッすきです、、、(唐突)毎回良いお話をありがとうございます、、、(尊死) (2021年8月22日 10時) (レス) id: 655b6dcc15 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 神谷さん(ヅラ買ってくる)さん» 神谷さん様!いつも面白いコメントありがとうございます!(実は下書きにし忘れて私自身も不意打ちを食らっていたとは言えない)不器用だけど優しい高杉さんになるように頑張ります!コメントありがとうございます!! (2021年8月17日 15時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん(ヅラ買ってくる) - し、新作…!不意打ち食らいました(知るか)優しそうな高杉くん…え、しゅき…あの、無料で見ていいんですか?貢ぎたいんですが。更新頑張ってください! (2021年8月17日 14時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年8月17日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。