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互いにピリッと緊張が走り、銀時がドアを掴んで入り込もうと突進してくる。
させるか、とそれを拒もうと身を固くしたが、夏みかんを持っている俺と持ってない銀時とでは機動力も、行動範囲も分が悪すぎた。


「あ!?クソっ」


するりと俺の横を滑るように通り過ぎて家に上がるバカを慌てて捕まえる。
しかし夏みかんの入ったダンボールを抱えた俺なんぞの手を簡単に振り払う奴だったので、俺は急いでダンボール箱を置くと階段を駆け上がる銀時を追いかけた。


「おい待ちあがれクソ銀時!」

「おっ!ここだ!」


流石の勘というか、一発でA達の部屋を当てると銀時は勢いよく部屋のドアを開けた。
そして、固まる。
隙間から覗くと、Aはベットの上でガキを守るように抱き締めていた。


「……おい、こりゃあどう云う事だ」


銀時の、ゾッとするほど低い声が響く。


「なんで、ここにてめぇがいるんだよ。A」

「やめろ銀時」


吹き出した殺気に、俺は慌てて銀時を諌める。
Aはさらに顔を青くさせて、強くガキを抱き締めた。


「……出てけよ。言ったよな、俺。あん時、お前に。高杉に二度と近づくなって。近づいたら殺すってよ」


出てけよ!と凄まじい声で怒鳴る銀時に、Aはただ震えて、小さな声でごめんなさい、と言った。


「……めんなさい、ごめんなさい……」

「謝って済むかよ!許せるわけねーだろ!てめぇのせいで高杉がどれだけ……!」

「銀時!」


俺は銀時を後ろから殴り付けた。
痛てぇ!と後頭部を抑えてのたうち回る銀時に、上がる息を押さえて静かに言った。


「銀時、やめろ。……ガキが怯えてる」

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神桜(プロフ) - 新作ありがとうございます!!! (2021年8月27日 16時) (レス) id: 86ea1c42a8 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 通行人Fさん» コメントありがとうございます!好きと言ってくださってとても嬉しいです!大変励みになっております!コメントありがとうございましたぁ!!!! (2021年8月22日 18時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
通行人F(プロフ) - ヒェッすきです、、、(唐突)毎回良いお話をありがとうございます、、、(尊死) (2021年8月22日 10時) (レス) id: 655b6dcc15 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 神谷さん(ヅラ買ってくる)さん» 神谷さん様!いつも面白いコメントありがとうございます!(実は下書きにし忘れて私自身も不意打ちを食らっていたとは言えない)不器用だけど優しい高杉さんになるように頑張ります!コメントありがとうございます!! (2021年8月17日 15時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん(ヅラ買ってくる) - し、新作…!不意打ち食らいました(知るか)優しそうな高杉くん…え、しゅき…あの、無料で見ていいんですか?貢ぎたいんですが。更新頑張ってください! (2021年8月17日 14時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年8月17日 13時

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