【銀魂】二度目まして初恋の人【高杉晋助】

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ピンポーンと玄関から軽い音が響く。
ガキがビクリと肩を揺らした。
インターホンのカメラを見ると、俺は顔をしかめる。
セールスのが何倍良かったことか。


「晋助、お客さん？何か準備する？」


台所からAが顔を覗かせる。
俺は座っていたガキを抱き上げると、そのままAに手渡した。


「コイツ連れて部屋に籠ってろ」

「え、でも……」

「いいから。何があっても出てくるなよ」


俺が念を押すと、Aや困惑したようにガキを抱き締めて頷いた。
二階に上がって行く二人が部屋に入ったのを確認してドアを開ける。


「何の用だバカ」

「出会い頭に失礼だなオメー。これ届けに来ただけだっつーの。ほい、松陽から」


銀時から箱いっぱいの夏みかんを受け取る。
今年もいい出来だ。
いきなり『銀時も成人したし、夏みかん農家に私はなる！』と山口に引越した先生には驚いたが、楽しんでいるらしい。


「朧は元気か」

「元気だよ。松陽の変わりに松下村塾で今先生やってる。お前もたまには顔見せに行けよ。仲良いだろ」

「行きたいのは山々なんだがめちゃくちゃ勧誘される」

「へっ、朧らしいぜ。……所で」


銀時の赤い目がツイ、と下に行く。
その目線を追っかけて、俺は己の詰めの甘さを呪った。


「その女ものの靴と、明らかに子供サイズの靴は？」

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