奥さんと語り事情 ページ23
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「良くね、私の人生を不幸だと泣いてくれる人がいる」
でもね。
「私はそう思ったことは無い」
いつの時代にも、私には愛してくれる人と愛すべき人がそこに居た。
この上ない幸福だと、私は思ってる。
「確かに着物はボロボロだった。飯もろくに食べれないような生活だった。辛かった、苦しかった。
でも、私は幸福だったんだ」
少なくとも、私はそれでいいと思う。
「誰かは産まれてくるこの子達を不幸だと言う。
でも、きっとそれは本人達にしか分からないの」
私達が、勝手に決めていいようなものでは無い。
勝手に決めて勝手にどうこうしていい事じゃない。
「それに、辛いも苦しいも楽しいも産まれてこなきゃ感じなれないでしょう?」
土方は何も言わない。
ただじっと私の目を見つめる。
ふと笑った。
「……あなたは今、産まれたくなかったと思う?
生きたくなかったと思う?死にたいと思う?」
「……思わねぇ」
「それが全てだよ」
窓の外、雀が数羽羽ばたいた。
いつの間にか空は赤く染まり。
ああ、夕陽綺麗。
「土方。子供を望むか?」
「あ、ああ。いつか欲しいと思ってる」
それがなんだとでもいいたげな眼差し。
その目は、やはり番犬止まりの犬の目だ。
狂犬にはなれない、半端者。
「お前の子供だって言われるだろうよ。人殺しの子供だと。それでも望むか?」
「……望む」
「ならばわかれ。私は産む」
土方十四郎、この男は何処までも私が嫌いらしい。
安心しろ、もちろん私も大嫌いだ。
だがしかし、認めてはいる。
いい男だ。人として。
だから人である茜の夫として申し分ない。
しかし、人から片足はみ出した私には優柔不断過ぎる。
前言撤回しよう。
私はこの男が嫌いじゃない。
ただ、この優しさが怖いだけなんだ。
PS,告白事情を非公開にしてました…
話繋がりませんでしたよね。ごめんなさい。
ぜひ、読み直して見てください……
本当にごめんなさい!
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紫姫(プロフ) - 最後すごく感動しました!!泣いちゃいました (2021年4月4日 13時) (レス) id: c6ba8ff617 (このIDを非表示/違反報告)
あると(プロフ) - 作者名に気付いて驚きました。いくつか読んだことのある作品の作者さんの過去作だとは思わず、何も知らず新鮮な気持ちで一気に読み終えました。まさに今この時期だからこそ、高杉晋助という男が染みました。良い作品でした。素敵な時間をありがとうございました。 (2021年3月18日 15時) (レス) id: ac43156437 (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - この作品のモノローグがすごく好きで、キャラクターも好きで最後は、物凄く泣きました。この作品も、作者さんも愛することが出来ました。感情が消えかかっていた私を泣かせてくれて、この物語に出会わせてくれて、本当にありがとうございました。 (2020年3月15日 21時) (レス) id: 45e0f85ae1 (このIDを非表示/違反報告)
chokone_0519(プロフ) - ここまで一気に見させてもらいました。最後の最後でボロ泣きして、ほんとにいいお話だったと思います。これこらも頑張ってください! (2019年12月19日 21時) (レス) id: c032273e58 (このIDを非表示/違反報告)
両足に傷(プロフ) - 完結おめでとうございます!自分の中ではかなりないた部類なのでこれからもまた繰り返して読むと思いますが...w素晴らしいお話でした! (2019年8月16日 2時) (レス) id: 910dd88300 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2019年6月16日 18時