奥さんと戦闘の事情 ページ3
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刃の応答が続く。
茜もそこそこに訓練したようで、基本的な剣道の所作は心得ていた。
しかし、所詮は剣道。
軽い。
簡単に払える。
何故今すぐにトドメを刺さないか?
……ほらまた。
さっきから定期的に同じ方向を確認している。
だからそこに何かがあるんだ。
ガキンと火花が散る。
大方、狙撃手だろう。
だったら止まらない方がいい。
いや、止まったら死ぬ。
それが例えトドメを指す為の数秒であっても。
さて、どうするか?
先に狙撃手を狙おう。
刀を受けながら予備動作なしでコルトガバメントを撃つ。
手応えは充分。
多分死んだ。
「なっ……!」
茜が驚いたように目を向いた。
そっちは狙撃までしようとしてたくせに、今更拳銃ごときで驚くなよ。
「安心して。あんたとの勝負は刀一本でいくから」
それ以外は……想像におまかせする。
力を込めて茜を押し戻し、2メートル前後の間合いをとってからコルトガバメントを懐に戻した。
刀を構える。
刀と言っても私のは短刀。
茜のは長刀。
もちろん普通なら長い方が有利だけれど、それは力量が同じくらいのもの同士の話。
圧倒的力の差の前では、そんな事は瑣末だ。
「邪魔者もいなくなったことだし、仕切り直しと行こうか」
再び刀を構えた。
私を睨む双眼は、相も変わらず憎悪1色だった。
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紫姫(プロフ) - 最後すごく感動しました!!泣いちゃいました (2021年4月4日 13時) (レス) id: c6ba8ff617 (このIDを非表示/違反報告)
あると(プロフ) - 作者名に気付いて驚きました。いくつか読んだことのある作品の作者さんの過去作だとは思わず、何も知らず新鮮な気持ちで一気に読み終えました。まさに今この時期だからこそ、高杉晋助という男が染みました。良い作品でした。素敵な時間をありがとうございました。 (2021年3月18日 15時) (レス) id: ac43156437 (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - この作品のモノローグがすごく好きで、キャラクターも好きで最後は、物凄く泣きました。この作品も、作者さんも愛することが出来ました。感情が消えかかっていた私を泣かせてくれて、この物語に出会わせてくれて、本当にありがとうございました。 (2020年3月15日 21時) (レス) id: 45e0f85ae1 (このIDを非表示/違反報告)
chokone_0519(プロフ) - ここまで一気に見させてもらいました。最後の最後でボロ泣きして、ほんとにいいお話だったと思います。これこらも頑張ってください! (2019年12月19日 21時) (レス) id: c032273e58 (このIDを非表示/違反報告)
両足に傷(プロフ) - 完結おめでとうございます!自分の中ではかなりないた部類なのでこれからもまた繰り返して読むと思いますが...w素晴らしいお話でした! (2019年8月16日 2時) (レス) id: 910dd88300 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2019年6月16日 18時