検索窓
今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:28,468 hit

ひゃくよんじゅうきゅう ページ49

.






ジリリリリリン!という音に目を覚ます。
寝ぼけまなこのままフラフラと時折壁にぶつかりながら電話をとった。
まだ外は暗い。
一体誰からなんだろうかと少し不機嫌に受話器を耳に当てる。


「……はい」

「こんばんは、晋助さん」

「……A?今何時だと……」


俺は閉じそうになる瞼を必死でこじ開けながら壁に寄りかかって少しの恨み言を言う。
Aはいつものように苦く笑った。


「ごめんなさい。どうしても聞きたい事があって」

「聞きたいこと……?」


ぼんやりとまとまらない頭でオウム返しのように言葉を返す。
よく聞くと、電話の向こうではワイワイガヤガヤと大人数の声がしているようだった。
どこかで宴会でもやっているのだろうか。
何やら誰かがお鼻スッキリを探している声がして。
あとは、聞き覚えのある三味線の音。
あまりに楽しそうな宴会に、俺も思わず笑みを零した。


「花は、咲きましたか?」

「ああ、今年も、みごとな梅が、さいて……」


Aが電話の奥で笑った。
俺はどうにか薄目を開いた状態を保っている。


「よかった。私は明日帰りますが、それまで枯らしちゃダメですからね」


もう一度Aはお願いしますよ、と念を押すと、そこでツーツーと電話が途切れた。
宴会をしていたようだし、向こうも酔っていたのだろう。

布団に戻る前に水でも……とコップに水道水を注いで口につけた。
その冷たさで、一気に目が覚める。

俺はコップを取り落とした。
足元で鈍い音を立ててコップが落ちて、水が飛び散る。
慌ててもう一度受話器をとっても、やはり聞こえてくるのはツーツーという音だけ。


……夢、か?本当に?

ひゃくごじゅう→←ひゃくよんじゅうはち



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (75 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
171人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 高杉オチ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

soari(プロフ) - コメント失礼します・・!どうして、どうして投票は一度しかできないのでしょうか?可能なら10点を命尽きるまで押し続けたいです。沖田レイア様の高杉を、キャラ愛を強く感じ、脳内に映像が巡り、私は今感動と動揺で死にそうです・・・素敵な作品をありがとうございます (2021年9月30日 23時) (レス) @page50 id: a5995c2106 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - ユウさん» コメントありがとうございます!!感動して頂けたようでとても嬉しいです!コメント大変励みになっております……ありがとうございました! (2021年9月16日 22時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 悶絶&号泣でした!晋助様大好きで萌えながら読ませていただきました。その後の話まで書いていただけて嬉しいです。これからも応援させていただきます (2021年9月16日 5時) (レス) id: d7bd017054 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!僭越だなんて……むしろ応援してくざすってめっちゃくちゃ嬉しいです!超モチベになっております!コメントありがとうございました!!! (2021年9月2日 23時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 沖田レイア様、コメント失礼致します!本当に本当に大号泣しました、主様の作品は全部全部大好きです。ありがとうございます。神威の方も、引き続き僭越ながら応援させてくださいっ! (2021年9月2日 2時) (レス) id: ffa5a66e58 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年6月2日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。