【銀魂】人待ちの季節【高杉晋助】

ひゃくよんじゅうろく ページ46

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拝啓、愛しの晋助さん。


あなたがこれを読むのは一体いつのことでしょう。
こんなに見つけにくいところに隠してしまってごめんなさい。
どうしても、私の死んだ後に見て欲しかったんです。
他の場所だと、私の生きている内にあなたが見つけてしまいそうで……
許してくださいね。

さて、今これを読んでいるあなたは一体何をなさっているのでしょう？
願う事なら幸せに、充実した日々を過ごしていればいいと思っています。
こんな事を書くと怒られるかもしれませんが、もし仮に好い人がいらっしゃるなら、私の事なんぞ気にせずお幸せになってくださいね。
あなたの幸せが私の幸せなんですから。

私はあの日、打算的な考えであなたに手を伸ばしました。
自分の人を見る目には自信がありましたが、こんなに暖かな日々がその先に待ってるなんて、考えてもみませんでしたよ。
あなたに声をかけた日の、迎えに来てくれたあなたの手を掴んだあの日の選択は正しかったんだと、今なら胸を張って言えます。

晋助さん、ありがとうございます。
私に出会ってくれて。
私を忘れないでいてくれて。
私の所へ、帰ってきてくれて。
たかが「おかえりなさい」の一言がこんなに意味のある言葉だったなんて、知りませんでした。

ねぇ、晋助さん。
私はあなたにたくさんのものを貰いました。
死ぬ前に、少しは返せていたかしら。

あゆみ続けるあなたが大好きでした。
どんなに辛くても歯を食いしばって前を向くあなたがとても素敵に見えました。
でも、どんなあなたよりも優しく笑うあなたを、私は愛しています。

季節は必ず巡ります。
どんなに辛く厳しい冬も、いずれは暖かな陽が登る。
だから、どうか。
今あなたの目から零れるものが、どうか暖かなものである事を。
どうか、花のような微笑みであることを。

いつまでも愛しています。
私の、愛しのあなた。


敬具
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こぼれる涙をそのままに、俺は空を見上げた。
青い。どこまでも青い。
Aも、きっとこんな空を見ながらこの手紙を書いたのだろうか。


「知らなかったなァ……世界に、こんなにも愛と幸せが溢れてたなんて」


人待ちの季節。


「いつかあけるその日まで」

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