ひゃくよんじゅうよん ページ44
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軽い身体を横抱きに、俺は夕暮れの丘を歩いた。
風で草が靡き、柔らかな音を立てている。
夕日に照らされた葉が赤く、輝いていた。
「綺麗な夕焼けだ……こりゃ、明日は晴れるな」
返事は、無い。
俺は静かに唇を噛むと、また黙って歩いた。
しばらくして、丘のてっぺんに着く。
俺はAを抱いたまま腰を下ろした。
眼下の街は夕陽で赤く染まり、影が長い闇を落す。
大きな太陽が雲ひとつ無い空を焼いて、静かに落ちて行った。
(ああ__……)
あの日と同じ夕陽だと。
あの日、崩れかけたターミナルで、あの男の強ばった笑顔と共に見た、沈みゆく太陽。
Aを抱く腕に力を込める。
俺がずっと抱き締めていたせいか、太陽に温められたか。
その体はまだほんのり体温が残っていて。
今にもいつものように目を開いて微笑みかけてくれるのでは無いかと。
零れた涙が微かに上がったまま二度と動かないAの頬に落ちる。
Aの顔は、穏やかで。
俺は知らず知らずに笑った。
「……お前は、きっと幸せだったと言うんだろうなァ……」
柔らかな風が俺と、Aの白くなった髪を揺らす。
「今度は、もっともっと幸せにしてやるから」
それまで、ゆっくりおやすみ。
「……今度は、俺の番だ」
待つのだって、きっと悪くはねぇさ。
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soari(プロフ) - コメント失礼します・・!どうして、どうして投票は一度しかできないのでしょうか?可能なら10点を命尽きるまで押し続けたいです。沖田レイア様の高杉を、キャラ愛を強く感じ、脳内に映像が巡り、私は今感動と動揺で死にそうです・・・素敵な作品をありがとうございます (2021年9月30日 23時) (レス) @page50 id: a5995c2106 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - ユウさん» コメントありがとうございます!!感動して頂けたようでとても嬉しいです!コメント大変励みになっております……ありがとうございました! (2021年9月16日 22時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 悶絶&号泣でした!晋助様大好きで萌えながら読ませていただきました。その後の話まで書いていただけて嬉しいです。これからも応援させていただきます (2021年9月16日 5時) (レス) id: d7bd017054 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!僭越だなんて……むしろ応援してくざすってめっちゃくちゃ嬉しいです!超モチベになっております!コメントありがとうございました!!! (2021年9月2日 23時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 沖田レイア様、コメント失礼致します!本当に本当に大号泣しました、主様の作品は全部全部大好きです。ありがとうございます。神威の方も、引き続き僭越ながら応援させてくださいっ! (2021年9月2日 2時) (レス) id: ffa5a66e58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年6月2日 0時