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ひゃくにじゅうさん ページ23

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新八くんの両頬に氷袋を当ててあげると、彼は照れたように笑った。


「すまねぇな、眼鏡。久しぶに熱くなった」

「大丈夫だ、高杉。ほら、メガネは無事だろ」

「オィイイ!それただのメガネでしょ!僕こっち!本体こっち!てかあんな低レベルな事で熱くなるって……それでいいんですか高杉さん」

「不思議なんだが銀時に言われるとどんな言葉でも腹が立つ」

「それはアレネ。銀ちゃんの煽りスキルがカンストしてるからヨ」

「なるほど??」

「納得しちゃうんですか。確かに銀さんの煽りは腹立ちますけど」

「んだとこらメガネ。メガネ割るぞゴルァ」


またワチャワチャと始まったやり取りに目を細めながら食器を片していく。
おつまみ各種を持っていって、お酒も追加しておく。
私が元いた席に戻ると、それをチラリと確認した神楽ちゃんが口を開いた。


「もう話すヨロシ。聞きたいアル」


神楽ちゃんの隣で、新八くんのがちょっと緊張したのがわかった。
銀時さんと晋助さんは目を見合わせて、一瞬見つめ合う。銀時さんが少し口角を上げてゆっくりと口を開いた。晋助さんはお猪口の酒を舐めながら優しく目を細めて、銀時さんの言葉を待っているようだった。


「……俺はよ、松陽に拾われるまで、戦場で死体を漁りながら生きてた。もうよく覚えちゃいねぇが人を殺した事だってある」


ふと外を見ると、まん丸な月が暗闇に浮かんでいた。
どこか優しく、淡々と語る声だけが、聞こえる。


「んで、高杉が道場破りに来て__……」


思い出を懐かしむかのように目を細める彼らに、私は目を伏せた。

ひゃくにじゅうよん→←ひゃくにじゅうに



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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 高杉オチ   
作品ジャンル:アニメ
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soari(プロフ) - コメント失礼します・・!どうして、どうして投票は一度しかできないのでしょうか?可能なら10点を命尽きるまで押し続けたいです。沖田レイア様の高杉を、キャラ愛を強く感じ、脳内に映像が巡り、私は今感動と動揺で死にそうです・・・素敵な作品をありがとうございます (2021年9月30日 23時) (レス) @page50 id: a5995c2106 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - ユウさん» コメントありがとうございます!!感動して頂けたようでとても嬉しいです!コメント大変励みになっております……ありがとうございました! (2021年9月16日 22時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 悶絶&号泣でした!晋助様大好きで萌えながら読ませていただきました。その後の話まで書いていただけて嬉しいです。これからも応援させていただきます (2021年9月16日 5時) (レス) id: d7bd017054 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!僭越だなんて……むしろ応援してくざすってめっちゃくちゃ嬉しいです!超モチベになっております!コメントありがとうございました!!! (2021年9月2日 23時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 沖田レイア様、コメント失礼致します!本当に本当に大号泣しました、主様の作品は全部全部大好きです。ありがとうございます。神威の方も、引き続き僭越ながら応援させてくださいっ! (2021年9月2日 2時) (レス) id: ffa5a66e58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年6月2日 0時

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