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ひゃくじゅうなな ページ17

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「……銀ちゃん」

「あ〜?なんだ神楽」


定春を撫でながら、社長机に足を上げて漫画から顔を上げないアホ面に、意を決して聞いてみた。


「銀ちゃんと片目に何があったアルか?」

「……」


銀ちゃんの瞼がほんの少しだけピクリと動く。
それでも、今日は引けなかった。


「私たちには、教えたくないネ?」

「……そ、うだなぁ。教育上は宜しくねぇな」

「もう教育されるような歳じゃ無いヨ!」


私が頬を膨らませて言うと、銀ちゃんは小さく笑って漫画で顔を隠してしまう。
踏み込まれたくない部分を突っついている自覚はある。だから、唇を噛んだ。


「……過去は過去アル。今が一番大事だって思ってたし、今も思ってるネ。でも、過去があるから今があるんだって、過去だって決して軽くないんだって、気がついちまったんだヨ」


定春のほっぺをわしゃわしゃすると、くすぐったかったのか大きく身震いする。
私は立ち上がった。


「銀ちゃんが言いたくないなら、いいアル。所詮は過去のことヨ。ただ、ほら、親の馴れ初めとか気になるダロ?それと同じ感じで気になっただけネ。神楽様は寛容だからナ、過去を引きずってても許してやるネ」


じゃ、そよちゃんと約束があるから、と逃げるように万事屋を飛び出した。
実際、逃げていた。

仲間の、家族の事だ。
知りたい。抱えてるものの、三分の一でも手伝えたらいい。
でも、傷付けたい訳じゃない。

ずっと見て見ぬふりをしていたのだ。
そのツケが、今、回ってきた。

ひゃくじゅうはち→←ひゃくじゅうろく



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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 高杉オチ   
作品ジャンル:アニメ
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soari(プロフ) - コメント失礼します・・!どうして、どうして投票は一度しかできないのでしょうか?可能なら10点を命尽きるまで押し続けたいです。沖田レイア様の高杉を、キャラ愛を強く感じ、脳内に映像が巡り、私は今感動と動揺で死にそうです・・・素敵な作品をありがとうございます (2021年9月30日 23時) (レス) @page50 id: a5995c2106 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - ユウさん» コメントありがとうございます!!感動して頂けたようでとても嬉しいです!コメント大変励みになっております……ありがとうございました! (2021年9月16日 22時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 悶絶&号泣でした!晋助様大好きで萌えながら読ませていただきました。その後の話まで書いていただけて嬉しいです。これからも応援させていただきます (2021年9月16日 5時) (レス) id: d7bd017054 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!僭越だなんて……むしろ応援してくざすってめっちゃくちゃ嬉しいです!超モチベになっております!コメントありがとうございました!!! (2021年9月2日 23時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 沖田レイア様、コメント失礼致します!本当に本当に大号泣しました、主様の作品は全部全部大好きです。ありがとうございます。神威の方も、引き続き僭越ながら応援させてくださいっ! (2021年9月2日 2時) (レス) id: ffa5a66e58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年6月2日 0時

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