検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:28,461 hit

ひゃくじゅういち ページ11

.






二人並んで家路を歩く。
午後の暖かい風が吹いて、どこからかチリンチリンと涼やかな音が聞こえてる。


「……風鈴」

「どうした」

「いえ、そろそろ出しましょうか」

「ああ、そりゃあいい」


ふと沈黙が降りる。
なんの話をするべきなのかわからなかったし、それはきっと彼も同じなんだろう。
晋助さんは頬を軽く掻いて、少し巡回した後、口を開いた。


「……買うか」

「え?」

「風鈴。新しいのでも」

「そうですね、見ていきましょう」


私が頷くと、彼は迷いない足取りで進んでいく。
一歩後ろでそのかかとを見ていた。

……私も、聞いてみたかったのだ。
彼がこの世界を憎んだ……理由を。
何となくわかってはいるけど、それでも。
あなたの口から聞きたいと思うのは、傲慢だろうか。


「……あの」

「なんだ?」


彼が振り返る。
風が吹いた。沢山の風鈴が揺れる音がする。
なびく髪、陽に照らされて輝く翡翠色の瞳を見たら何も言えなくて。


「……晋助さんは、どうしてさっき銀時さんの居場所がわかったんですか?」

「あ?あー……臭い、見てぇな……勘?」

「え、じゃあ私を助けに来てくだすった時も……」

「あァ、勘だなァ。ちなみに今風鈴屋に行こうとしてるのも勘だ」

「あんなに堂々とした足取りだったのに?」

「俺ァ自分の勘を神仏よりも信じてるから、な」


彼は愉快そうに喉を鳴らして笑った。

ひゃくじゅうに→←ひゃくじゅう



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (75 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
171人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 高杉オチ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

soari(プロフ) - コメント失礼します・・!どうして、どうして投票は一度しかできないのでしょうか?可能なら10点を命尽きるまで押し続けたいです。沖田レイア様の高杉を、キャラ愛を強く感じ、脳内に映像が巡り、私は今感動と動揺で死にそうです・・・素敵な作品をありがとうございます (2021年9月30日 23時) (レス) @page50 id: a5995c2106 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - ユウさん» コメントありがとうございます!!感動して頂けたようでとても嬉しいです!コメント大変励みになっております……ありがとうございました! (2021年9月16日 22時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 悶絶&号泣でした!晋助様大好きで萌えながら読ませていただきました。その後の話まで書いていただけて嬉しいです。これからも応援させていただきます (2021年9月16日 5時) (レス) id: d7bd017054 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!僭越だなんて……むしろ応援してくざすってめっちゃくちゃ嬉しいです!超モチベになっております!コメントありがとうございました!!! (2021年9月2日 23時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 沖田レイア様、コメント失礼致します!本当に本当に大号泣しました、主様の作品は全部全部大好きです。ありがとうございます。神威の方も、引き続き僭越ながら応援させてくださいっ! (2021年9月2日 2時) (レス) id: ffa5a66e58 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年6月2日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。