【銀魂】100日後に死ぬ(死なない)高杉晋助【高杉晋助】

63日後に死ぬ(死なない)高杉晋助 ページ37

三月八日(月曜日)






今日は雨が降っちまって、花見に行くことが出来なかった。
そこそこ真面目に場所やら段取りやらを考えていた男連中は俺を含めて割としょぼんとしていた。

全員学校に行く気になれず松下村塾でゴロゴロとしていたその時


「はーい皆桜餅持ってきましたよー」

「昨日銀ちゃんが仕込んでおいてくれたあんこで作ったよ！」


と先生とAが重箱に入った桜餅を持ってきてくれた。
その声に銀時はパッと顔を上げ嬉しそうな顔をしている。さすが糖分大魔王。現金なやつだ。

重箱の上二段は道明寺の桜餅で、下二段は長命寺の桜餅。
何を隠そうAと先生と朧は長命寺の桜餅派で、俺と銀時と虚は道明寺の桜餅派なのだ。
各々好きな方を取っていただきますと食べる。


「んー！うま！さっすが俺の作ったあんこだわ」

「ん、ほんとだうめぇ。流石だなA」

「ちょ、高杉？俺が作ったあんこだって言ったよね？？？」


と、銀時とふざけあっていると、ここで言わんでもいい事を言い出す奴がいる。
それは……


「というか君達、桜餅と言えば道明寺だろう？なんで長命寺も作るんだ？」


そう、虚である。
そこでぴしりと空気が凍り、ゴゴゴゴゴという音ともに先生が顔を上げた。


「……始めましょうか、虚。和製版きのこたけのこ戦争を」


俺たちは桜餅と共に隣の部屋に避難し、虚の悲鳴と爆発音(爆発音！？)とが聞こえる中静かに縁側から見える松下村塾の桜を見た。
雨に濡れて花が落ちていくのは少し寂しかったが、美しかった。

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