【銀魂】100日後に死ぬ(死なない)高杉晋助【高杉晋助】

85日後に死ぬ(死なない)高杉晋助 ページ15

二月十四日(日曜日)








Aは毎年手作りチョコを作ってくれたので楽しみに松下村塾に行ったら、何故か俺のだけ市販の物だった。
驚きとショックで固まっていると、奥でこれまたバレンタインに毎年銀時と作っているチョコケーキを作っていたであろうAが出てきた。


「あ、それ晋助の分だよ。へへ、いつもありがとうね」

「な、な、なぁ、A。なんで俺のだけ、し、し、し、市販の……市販のやつなんだ……？」


狼狽しながら、実はほんの少しだけ涙目になりながら俺なんかしたか……？と肩を震わせながら聴くと、Aは驚いたように大きな目を瞬かせる。


「え、あの、晋助は手作り苦手って聞いて……今まで無理してくれてたのかなって」


俺はそこまで聞いてその場に膝を着いた。


「晋助！？大丈夫？」

「俺ァ、俺ァ……俺はお前の手作りなら食べたかったんだよ！どこの誰とも知らねぇやつからのは恐怖でしかねぇが毎年Aが俺の為に作ってくれてたチョコは好きだったんだ！」

「そ、そうだったの？なら去年のとか、その前のとか、嫌じゃなかった……？」

「ぜんっぜん嫌じゃねぇ！」


俺がガバッと顔を上げたのが驚いたのかAがビクリと肩を震わせると、ふわりと笑った。


「……よかった。ずっと無理させてたのかなって不安だったんだ。あの、予備の分があるけど晋助いる？」

「いる。すっごい欲しい」


なんか恥ずかしい事を口走った気がするが、Aのチョコが食べられて今日はいい日だった。
それとケーキを作るために赤いエプロンと三角巾をしていたAは心の底から可愛いと思った。

後、カカオには可哀想だが、俺はこれから二度と手作りが苦手なんて他人に言わねぇ。今決めた。

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