四十四日 ページ44
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「楽しかった!晋助も楽しめた?」
「当たり前だ。俺も楽しかったよ」
晋助が日焼けして赤くなった頬で優しく笑うから、私もほんのりと頬を染める。
まだ夕暮れ時だけど夜までには帰さねぇとな、と言う硬派な晋助により、花火を楽しんで、今から帰る所なのだ。
「線香花火は銀ちゃんには勝てるけど、晋助には勝てないのなんでかな」
「そりゃ落ち着きの差…………なんだ?駅に人が集まって……」
え?と私も顔を向ける。
確かになんか沢山人が集まってワラワラとしていた。
イベント……?こんな夜になりかけの海で?
私達は顔を見合わせると、晋助は此処で待ってろ、と言い残し、人の中へ歩いていく。
なんだろう?と少し不安に待っていると、晋助は苦々しい顔で帰ってきた。
「どうしたの?何かあった?」
「……塩害だ。今日は丸々、運行停止だと」
「ひょえ……」
晋助は私を安心させるように笑うと、大丈夫だと言った。
「タクシーを呼べば……」
「ここから家までって一体幾らに!?それに今から電話しても、きっとかなり待つことにならない?他の人たちだって考える事は同じだろうし……」
「でも、それしかねぇだろ?」
うーん、と私は少し考える。
タクシーを待つのは全然構わない。
晋助と一緒なら待ち時間でも楽しい。
でも、今日は晋助の誕生日祝いで来ているのだ。
お金を出してもらうのは如何なものか。
……………………。
「……ねぇ晋助」
「ん?」
「親には電話するからさ、きょ、今日はどこか泊まらない?」
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美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月10日 18時) (レス) @page49 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 神谷さんさん» 神、以外の言葉が思いつきません……神谷さん神様ァあああ!!ありがとうございますぅううう! (2021年8月24日 0時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 捨てるわけないっすよ!!!私も読書感想文書かなきゃですよ!仲間ですね!()健全な高校生の高杉くん、ものすごく好きです!次回作に期待してますよ!愛してます! (2021年8月23日 22時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年1月3日 0時