四十三日 ページ43
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「わ!」
「おい、転ぶなよ」
「うん!晋助もはやく!」
晋助は苦笑して早足で私を追いかけてくれる。
駅につくとすぐそこが海だった。
切符を改札に通して浜辺を走る。
磯の香りを大きく吸い込んだ。
風に飛びそうになる帽子を慌てて押さえると晋助が隣に立った。
「荷物ロッカーに預けるか」
「ロッカーある?」
「海の家に行けばあるだろ。そんときにビーサン買おうな」
「うん!」
歩きにくいだろ、と差し出された手をとって歩く。
あまりに自然にとったけど、これって……
思わずカッと頬に熱が集まる。
その時、ヒールが砂に取られて
「あっ!」
「おっ……と、あぶねぇ」
転びそうになって、振り返った晋助に支えられる。
抱き着くような姿勢になって、私は慌てて晋助を押し退けた。
「ご、ごめん!大丈夫だった?」
「あ、ああ。お前こそ怪我無いか?」
「うん。……受け止めてくれて、ありがと」
顔が火を噴いてしまうかと思う程に熱い。
絶対今顔を上げたら晋助に真っ赤な顔を見られるので俯いて礼を言った。
つばが大きな帽子を晋助が選んでくれて良かったと思う。
「気にすんな」
電車の時と同じように大きな手が私の頭を帽子越しに撫でた。
晋助も、今真っ赤な顔をしてるのかな。
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美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月10日 18時) (レス) @page49 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 神谷さんさん» 神、以外の言葉が思いつきません……神谷さん神様ァあああ!!ありがとうございますぅううう! (2021年8月24日 0時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 捨てるわけないっすよ!!!私も読書感想文書かなきゃですよ!仲間ですね!()健全な高校生の高杉くん、ものすごく好きです!次回作に期待してますよ!愛してます! (2021年8月23日 22時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年1月3日 0時