三十七日 ページ37
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少し人が減ったところに来て、ようやく私は腕から体を離した。
晋助が何処か安心したように息をつく。
それに少しムッとしたので体は離したけど左手で裾を握る。
「あ、あんず飴ここだね!」
「お、おう」
案の定照れているようで、いつもの余裕綽々って感じからほんの少し動揺してるのがわかる。
(もっと)
もっと動揺して、夏の魔物に操られるみたく言ってしまえばいいんだ。好きだって。
「この後はあれね、焼きそば」
「はは、食いもんばっかだなァ」
知ってる。
どうせ晋助の鋼の理性は夏の魔物なんかにやられてくれやしない事なんて。
だって少なくともこの三年間はどんなに私が無防備でも、どんなに好条件でも絶対手を出さなかった人だもの。
こんなに愛のこもった目で私を見る癖に、好きの一言も言ってくれない硬派な人。
ずるい、私ばっかりが大好きなようで。
私だって言って欲しいんだよ。いくらわかってるって言ってもさ。
「数字当て、私運悪いからなー!」
「ふ、その分俺が当ててやるよ」
ま、私だってあの日。
小学二年生だったあの頃、初めて会った日からずっと好きなんだ。
私の理性だって、夏の魔物ごときにやられるほどヤワじゃない。
(あーあ、早く告ってくれないかな)
純粋な笑顔で今日も
「さっすが晋助!」
「現金なやつめ」
二人で友達のふりして笑い合う。
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美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月10日 18時) (レス) @page49 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 神谷さんさん» 神、以外の言葉が思いつきません……神谷さん神様ァあああ!!ありがとうございますぅううう! (2021年8月24日 0時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 捨てるわけないっすよ!!!私も読書感想文書かなきゃですよ!仲間ですね!()健全な高校生の高杉くん、ものすごく好きです!次回作に期待してますよ!愛してます! (2021年8月23日 22時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年1月3日 0時