三十三日 ページ33
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自転車をキコキコ押しながら夕暮れ時の坂道を歩く。
松下村塾でお泊まり会して、流石に二日間止まるのは親が許さなかった。
この街で生まれ育ち、ここから出たことの無い私には比較できないが、どうやらここは坂の多い街らしい。
「……あ、そうだ晋助」
「ん?」
ふと思い出したように声をかけると優しく目を細めて微笑み返してくれる。
紫色の髪にオレンジ色の夕日が反射してとても綺麗だ。
「誕生日プレゼント、何がいい?サプライズでも良かったんだけど、私の小遣いじゃあげられるものも限られてくるし……だったらなるべく晋助が嬉しいものがいいなって」
少し申し訳なさそうに言うと晋助はパチパチと瞬きして、ややあって笑った。
「別に俺ァ金のかかるもんが欲しいとは思ってねぇよ。そうだな……なら、海行こうぜ海。二人でさ、前に買ったワンピース着て来てくれよ」
「そんなのでいいの?」
驚いて目を上げる。
楽しそうに笑う晋助と目が合う。
「それがいいんだ。そうだな……お盆は混むから、その前に行こうぜ」
「うん!当日は多分毎年恒例の松下村塾お誕生日会があると思うから、その後でもいい?」
「あああれな……もう祝うような歳でもねぇんだけどな。ま、銀時がケーキを食べたいだけなんだろうが」
「あと先生がクラッカー鳴らしたいんだと思う」
「言えてらァ」
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美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月10日 18時) (レス) @page49 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 神谷さんさん» 神、以外の言葉が思いつきません……神谷さん神様ァあああ!!ありがとうございますぅううう! (2021年8月24日 0時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 捨てるわけないっすよ!!!私も読書感想文書かなきゃですよ!仲間ですね!()健全な高校生の高杉くん、ものすごく好きです!次回作に期待してますよ!愛してます! (2021年8月23日 22時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年1月3日 0時