三十二日 ページ32
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ほら遊んでおいでとガキを撫でるAを見ながら先生がボソリとこぼす。
「結局、どっちなんでしょうか……」
「曖昧だが、知ってるんじゃねぇか?」
と小声で話しているとザクザクと地面をふむ音が聞こえて来て意識を集中させる。
「あれは……」
「朧、ですね」
二人で顔を見合わせて様子をみている。
朧が微笑みながらAに声をかけた。
「今のは古事記か?」
「あ、朧兄ぃ。はは、変なとこ見られちゃったなぁ」
少し恥ずかしそうに頬を搔くAに朧は笑って緩く首を振る。
「いや、いい切り返しだった。俺も子供達から質問されてどう答えるべきか悩んでいたのだが今度から採用しよう」
「ふふ……ああでも私はお母さんには『結婚式で誓のキスをした時にお父さんの遺伝子が入ってきてあなたが生まれたのよ』って言われたよ」
「面白いな……いつまで信じてた?」
流石は朧だ。
直接的な話は避けつつも子供のためという大義名分を利用して世間話のような気軽さで確実に誘導していっている。
流石私の一番弟子……という先生のつぶやきに大きく頷く。いやはやこういう大人になりてぇものだ。
Aはまた照れくさそうに頬を搔いた。
「えへへ、実は割と最近まで。総悟と神威に会わなかったら今でも信じてたかも」
よし、あいつら殺そう。
チャキリと刀の鯉口をきる。
慌てて先生が俺を後ろから抑えて小声で言った。
「だ、駄目ですよ晋助!それにほら銃刀法違反!いや、そこに刀放っておいたの私ですけど!」
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美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月10日 18時) (レス) @page49 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 神谷さんさん» 神、以外の言葉が思いつきません……神谷さん神様ァあああ!!ありがとうございますぅううう! (2021年8月24日 0時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 捨てるわけないっすよ!!!私も読書感想文書かなきゃですよ!仲間ですね!()健全な高校生の高杉くん、ものすごく好きです!次回作に期待してますよ!愛してます! (2021年8月23日 22時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年1月3日 0時