四日 ページ4
.
ダイニングテーブルの上、ちぎった紙に「ダチとあそびにいってくる」と、走り書きで書くと、私も二人のように元気よくドアを開けて、閉めて、自転車に飛び乗った。
「おまたせ」
声をかけると律儀に待っていたふたりは私を振り返った。
神威は総悟の自転車の後ろに乗っている。
太陽に弱い神威はカンカン帽を被っていて、夏の暑さと、彼の目の色と、とてもよく似合っている事に驚いた。
「じゃ、行きますかィ」
「おー!」
三人で一斉にペダルをこぎ出す。
アスファルトに反射した太陽が、キラキラと輝いている。
熱風が頬を叩き、その暑さに汗が垂れた。
やがて、下り坂に差し掛かり、ペダルから足を離して子供のようにはしゃぐ。
「はー、たのしー!この坂道上がるのが今からめんどくせー!」
「じゃあもう晋助ん家泊まっちゃったら?」
私は呆れながら横を向いた。
神威はこちらを向いて、風で帽子が飛ばないように押さえている。
「あんねぇ、流石に怒られるわ。ママに」
「それに、みんなでお泊まり会ならまだしもサシでのは、何か言われても言い逃れ出来ねぇでさァ」
「あー、お泊まり会今度やろうね、楽しそう」
「どこでやるかによっても変わると思うけど、多分それ枕投げで部屋半壊させて怒られるやつじゃない?」
「そんなわけ……あるな……うん、むしろそれ以外の未来が想像できないよ」
そろそろ坂が終わる。
私はペダルに足をかけた。
にやりと笑う。
「ま、なんにしたってあんた達とやればきっと死ぬほど楽しいんでしょうよ」
「何言ってんの、A。当たり前でしょ」
「じゃ無きゃこんな奴ら、好き好んでつるんだりしねぇだろィ」
違いない、と笑った。
私たちならきっと、夢の跡でも楽しめるだろう。
97人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月10日 18時) (レス) @page49 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 神谷さんさん» 神、以外の言葉が思いつきません……神谷さん神様ァあああ!!ありがとうございますぅううう! (2021年8月24日 0時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 捨てるわけないっすよ!!!私も読書感想文書かなきゃですよ!仲間ですね!()健全な高校生の高杉くん、ものすごく好きです!次回作に期待してますよ!愛してます! (2021年8月23日 22時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年1月3日 0時