十九日 ページ19
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「……」
晋助は服を私の体にあてて眉間にシワを寄せていた。
無言で睨みつけるように見てくるもんだから、さっきから店員さんの視線が痛い。
「あ、あの、試着して来るよ?着た方がわかりやすいでしょ?」
「……試着室に入ったら、値札見るだろお前」
「うん、今の発言で見せられない値段のものだって言うことが発覚したね!」
「値段がバレてなきゃセーフだ」
「セーフって何!?」
「マイルール」
「どんなマイルール?てか私に対しての時点でマイじゃ無いよね??」
晋助はクスクスと笑う。お前は賑やかだなァと言いながら手に持っていた数着を戻し、腕の中にはシンプルな白いワンピースと薄桃色のストール。茶色いハイヒールのサンダルと白い薔薇のついたバスケットのようなバッグが残っていて。
フルコーデですか、さいですか……
「ちょっくら買ってくる。待っててくれ」
「う、うん」
彼が背を向けたのを確認してさっき晋助が戻した服の値札を探す。
同じ値段じゃなくても目安くらいにはなるでしょ。
(……あれ?)
値札、無い……
いやほんとにどこ探しても。
え?と思いながら隣の服の値札を探すも、こちらも見つからない。
(もしかしなくても、ここって……)
値札が無い系の服屋じゃないですか。
そりゃそんな高級店に高校生二人で入ったら店員さんにガン見もされるわ。
確かに最寄りの駅から電車に乗っては来たけど、そんな遠くない所にこんな店があったなんて……
以後、気を付けよう。何にって、晋助に。
「値札は、見つかったかァ?」
笑いを含んだ声に、思わずガバリと振り向くと笑うのをこらえた顔の晋助がオシャレな紙袋を持って立っていた。
「〜〜ッ!からかったな!」
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美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月10日 18時) (レス) @page49 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 神谷さんさん» 神、以外の言葉が思いつきません……神谷さん神様ァあああ!!ありがとうございますぅううう! (2021年8月24日 0時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 捨てるわけないっすよ!!!私も読書感想文書かなきゃですよ!仲間ですね!()健全な高校生の高杉くん、ものすごく好きです!次回作に期待してますよ!愛してます! (2021年8月23日 22時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年1月3日 0時